炭水化物を先に食べる「逆食べ順ダイエット」!?

炭水化物は食事の後半で食べるのがダイエットや美容の通説となっていますが、実は、炭水化物を先に食べたほうが食べ過ぎを防げることもあります。その理由やメリットとは?

炭水化物はいつ食べるのが正解? 食事の最初か最後か

食べ順ダイエットは、もはや食事ダイエットの定番中の定番です。その定番のやり方は、汁物→野菜料理→メインディッシュ(たんぱく質メニュー)、そして最後に炭水化物(ご飯、パン、麺類)という順番で食べる方法です。食べ過ぎや血糖値の急上昇を防ぐと言われています。

ですが、実践した結果「食べる順番は関係ない、意味がない」と言う人もいて、逆に「炭水化物を最初に食べる、逆食べ順ダイエット」で成功する人もいます。特に、低血糖状態に陥りやすい生理前やお菓子の過食が癖になっている人にとっては、むしろ、最初に炭水化物を食べる方が食べ過ぎを防げることもあります。

それぞれの食べ順にそれぞれのメリットがあるので、順にその理由や利点について考えていきましょう。

炭水化物を最後に食べる、従来の「食べ順ダイエット」のメリット

そもそも、炭水化物を最後に食べる食べ順ダイエットが良いとされるのには、2つの理由があります。

■食べ過ぎと血糖値の急上昇を防ぐ

食後は、食事で摂取した糖質は血液中を流れて全身に送られます。血液中の糖質の量(=血糖値)が増えると人間は満腹を感じます。本来、糖質は消化吸収されやすく、速やかに代謝されてエネルギーとして利用されるのですが、過剰に摂取した糖質は脂肪細胞によって蓄えられてしまいます。さらに、血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に分泌されて、糖を脂肪に変えて蓄えようとします。

ご飯だけ、パンだけ、パスタだけを先に食べると、血糖値が上がりきる前に食べ過ぎてしまいます。事前に、食物繊維を豊富に含む野菜をしっかり食べて、肉や魚、納豆、豆腐などのたんぱく質メニューもしっかり食べることで、食べ過ぎを防ぎます。また、血糖値が急激に上がることを防ぐことで、脂肪の蓄積を抑えられます。

■カロリーの高い炭水化物を食べ過ぎない

お腹が空いている時に、真っ先に炭水化物類を食べると、ご飯を何杯もおかわりしたり、パンを何個も食べたりと必要以上にたくさん食べてしまうことになります。

でも、汁物で先に内臓を温めつつ胃袋を少し満たし、その後、野菜を咀嚼することで満腹中枢を刺激し、メインディッシュとなる肉や魚などのたんぱく質メニューで味覚とお腹を満足させてあげれば、最後に食べる炭水化物は少量でもしっかり満足できます。

1食の中で最も高いカロリーを占める炭水化物をたくさん食べないために、炭水化物は最後に食べるのが良いとされているのです。

炭水化物を最後に食べる「食べ順ダイエット」のデメリット

前述の通り、1食の中で最も高いカロリーを占める炭水化物ですが、最後に食べることで、すでにお腹がかなり満たされ、炭水化物を食べ過ぎないという点が利点です。

ただ、人間は血糖値が十分に上がらないと満腹感を感じられなかったり、満腹感を持続させることができないため、最後に食べる炭水化物が極端に少ないと食事の満足度が下がります。結局、炭水化物を最後にたくさん食べてしまったり、食後にデザートやお菓子をたくさん食べてしまうことも……。それでは、炭水化物を最後に食べる意味はなく、かえって摂取カロリーが増えてしまいます。

炭水化物を先に食べる「逆食べ順ダイエット」の効果的なやり方

以上を踏まえて、炭水化物を最後に食べてもいつもと量が変わらない、むしろ満足感がなくて逆効果かもしれない、という人におすすめなのが逆食べ順ダイエットです。

食事の最初、できれば食前30分前に、少しだけ炭水化物を食べておきましょう。血糖値は食後30分~2時間ほどで上がります。血糖値が上がると満腹を感じやすくなるので、食事中に血糖値が上がっていれば食べ過ぎを防げるということです。

ただし、食事の最初や食前に、ご飯をお茶碗1杯分をすべて食べるのでは、結局、血糖値が急激に上がってしまいます。

食前には茶碗の3分の1程度食べておき、従来の「食べ順ダイエット」の要領で、汁物→野菜料理→メインディッシュ(たんぱく質メニュー)を食べ、そして、残りのご飯(3分の2)を最後に食べます。食事の最初に食べた場合は、ゆっくりと食事することを心がけましょう。

自分に合った食べ順を試してみましょう

炭水化物を最後に食べても結局ご飯をおかわりしてしまい、ダイエットの意味がない……という人は、ぜひこの方法で食べてみてください。満腹の感じ方や、食後のデザートに対する欲求に変化が出てくるはずです。

ただし、炭水化物を先に食べる方が過食を防げるという人もいれば、最後に食べる方が過食を防げる人もいて、それは人それぞれです。どちらが自分の体に合っているのか、両方を試してみるのも良いですね。

(文:阿部 エリナ)

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