【拡大するベトナム建材市場 JFEグループの事業戦略(1)】〈建材加工商品販社アグリメコ&JFEスチールプロダクツ・上原郁社長に聞く〉フィリピンなど国外でも積極受注

5年後の売上高50億円目指す

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 ベトナムの建材市場は近年急速に拡大。見掛け鋼材消費量は2015年にアセアン地域でトップとなり、建材比率は9割を超える。成長著しい同国でJFEグループはニーズに応じた建材事業を着実に展開。直近では建材事業では初めて現地企業と合弁を組み建材加工商品の販社、アグリメコ&スチールプロダクツをハノイに新設している。同国で建材事業を展開する各社のトップに事業戦略を聞いた。(村上 倫)

――需要環境の認識は。

 「ベトナム国内における狙いの一つは日本からのODAだ。しかし、既に国の債務はGDPの65%にあたる額に達しようとしておりブレーキがかかってきている。一方で、民間は活力がありビルものなどの需要がある。RC造が多いが大空間の会議場を設けるなど一部で鉄骨が使用されるケースもあるほかコンクリート造の中で鉄骨を用いて特徴を出そうとするケースもあるようだ」

――どう事業を展開しますか。

アグリメコ&JFEスチールプロダクツ・上原社長

 「当社の提携先である建材・加工会社、アグリメコは様々な建材加工ができる。どれをベースロードとするかの見極めが必要だが、中でも鉄骨の加工能力が高い。これを軸に建材加工製品なら何でもニーズに応えられるようにしていく。また、アグリメコグループは施工会社も保有しており、ここに溶接指導すれば上下水道で鋼管を用いた経済設計なども設計段階から提案できる。JFEスチールの鋼管杭合弁、Jスパイラルスチールパイプと共に設計段階からの折り込みを進めたい。

――定量的な目標は。

 「5年後の2022年に売上高50億円を想定している。アグリメコグループの加工高50億円のうち5割は当社が関わっていきたい。残りはベトナム国外などでの受注を考えている。社員は現状7人だが、5年後には営業マンや技術者など25人程度への拡大を想定している。東京五輪後に訪れる日本の内需漸減期に一定の利益を出しているようにしたい」

――ベトナム以外ではどのような地域を。

 「まず、東南アジアは各国にニーズに合わせ営業展開をしたい。特にフィリピンは昨年までJFEスチールの建材開発部土木技術室長として現地の設計コンサルなどとも交流してきたこともあり、ニーズを把握しやすい部分がある。個人的にも好きな地域で、ここでの建材需要も狙っていければと考えている。JFEシビルのフィリピン現地法人、リオフィルの施工能力を武器に同国で土木製品のPRも進めフィリピンでの需要捕捉も視野に入れたい。JFE設計のフィリピン現地法人、ケルフィルへ図面作成を依頼しベトナムで活用するスキームも考えていく」

 「東南アジアのほか米国やアフリカの都市整備に貢献していく。堅調な地域を逃さずに捉えていきたい。米国ではファブリケーターがベトナムや中国などから素材を仕入れたいと考えている企業もあり可能性を探っていく。また、建材を扱うJFEグループの海外進出の足掛かりとなるような存在にもしていきたい。さらに、ビルに限らずアフリカ、インドなどでは橋梁や防災商品なども検討していく。気候変動によって乾燥化が進む半面一度に降る雨量が増加し、従来の堤防機能では不十分になる可能性がある。河川の洪水対策や地滑り対策工の需要が増えそうで、これらに対応する建材も折り込めればと思っている」