ラニーニャ現象が発生 春まで続く可能性高い

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値。出典:気象庁ホームページ

気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表した。11月の観測によると、エルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より低い値で、基準値との差は-1.1℃だった。海洋と大気の状態はラニーニャ現象時の特徴を示しており、ラニーニャ現象が発生しているとみられる。
 
 今後、冬にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値より低い値で推移すると予測される。その後、冬の終わりから春にかけて次第に基準値に近づき、春は基準値より低いか基準値に近い値で推移すると予測している。春には平常の状態になる可能性もあるが、ラニーニャ現象が春まで続く可能性の方がより高い。

ラニーニャ現象発生時の冬の特徴
 ラニーニャ現象発生時の冬(12~2月)の天候の特徴として、平均気温は全国的に平年並みか低くなる傾向があり、日照時間は北日本太平洋側で平年並か平年に比べて多い傾向がある。前回のラニーニャ現象の発生は、2010年夏~2011年春となっている。

エルニーニョ現象とは
 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。

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