【MLB】FAダルビッシュに引く手数多、代理人ウルフ氏「価値はとてつもなく高い」

去就が注目されるダルビッシュ有【写真:Getty Images】

移籍先最優先事項は「勝てるチーム」、働いている「人」にも注目

 ドジャースからフリーエージェント(FA)となったダルビッシュ有投手が、移籍先の条件の1つとして「勝てるチーム」を掲げていることが分かった。代理人を務めるジョエル・ウルフ氏が11日(日本時間12日)、フロリダ州オーランドで開催されているウインターミーティングの会場ホテルで明らかにした。

 移籍先の大前提となるのが「勝てるチーム」だ。「ワールドシリーズの舞台に戻り、リベンジを果たしたい」という思いがダルビッシュの胸にあるという。だが、球団の所在地などにこだわりはなく、「自分がよくフィットし、クオリティーの高いチームであれば、どのチームに行くのも問題はない」とウルフ氏は語った。

 また、キャリアを通じて初めてFAとなったダルビッシュは、移籍先について「熱心に調査している」という。最も気に掛けるのが「球団で働いている人々のクオリティー」で、「どんなタイプの人々が働いているのか、よく聞いてくる。フロントオフィスやコーチ陣のタイプや性格を気に掛けているようだ」と明かした。

 今季は右肘靱帯再建手術後、初めて1年を通じてプレー。31試合に先発し、10勝12敗、防御率3.86の成績を収めた。また、レギュラーシーズンとプレーオフを合計すると投球回は200回を超えるが「状態はいいし、トレーニングも続けている。彼は来季こそキャリア最高のシーズンになると感じている」と、早くも来季に向けての手応えを感じ始めている。

 ウルフ氏は「自分が向上するために、あらゆる情報を取り入れようとする」ダルビッシュを「非常に知的な人間」と絶賛する。ワールドシリーズでは思い通りのパフォーマンスを披露できなかったが、「プレーオフに行けない他球団のエースがいる中で、彼はドジャースのワールドシリーズ進出を手助けした」と分析。「彼の価値はとてつもなく高い」と大きくうなずいた。

 ダルビッシュの移籍先候補として、ツインズ、ブルワーズ、レンジャーズなど複数球団の名前が挙がり、契約は6年1億5000万ドル(約175億9700万円)にも達すると予想されている。大谷翔平のエンゼルス入りが決まり、ジャンカルロ・スタントンのヤンキース移籍が決まった今、今オフのFA先発投手では最も注目を浴びる右腕の行方が話題の中心となりそうだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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