台風21号の県内被害総14億円超 先月試算の2倍に

 10月に関東を直撃した台風21号による県内の被害総額が14億2千万円超に上ることが12日、県のまとめで明らかになった。高波が原因とされる定置網の破損や大雨による山林の崩壊などが新たに判明。11月初旬の試算額に比べ約2倍に膨れ上がった格好で、改めて被害の深刻さが浮かび上がった。

 県が県議会に報告した資料によると、新たに被害が判明したのは、大型定置網の破損など水産業被害や市町が管理する11漁港の破損など総額約3億9千万円。鎌倉などで2億5千万円相当の林業被害も確認された。11月7日の中間報告では、全体で7億3千万円を超す見通しを示していた。

 県は台風被害の復旧費として約4億円を本年度の一般会計補正予算案に計上。国道134号の擁壁や三浦海岸の護岸など計73カ所を工事する計画で、今後も修繕費が膨らみそうだ。

 台風21号は10月22日から23日にかけ、大雨や高波をもたらした。県内26市町村で避難勧告や避難準備・高齢者等避難開始が発令され、横浜市で男性が足首を骨折するなど8人が重軽傷を負った。床上浸水や損壊など建物被害は108棟、道路被害やがけ崩れは計58件に上った。

 

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