彫刻作品も大掃除の季節です

 彫刻作品も年末の大掃除−。平塚市美術館(同市西八幡)で12日、常設展示されている15作品のうち9点の洗浄・メンテナンス作業が行われた。

 近隣の美術大などから学芸員の研修を受けていた学生8人の研修最終日に合わせ、ブロンズ製や鉄製の彫刻の洗浄に取り組んだ。同美術館によると、作品を錆(さび)から保護しオリジナルの状態を維持するとともに、直接触れて鑑賞する貴重な機会にもなるという。

 保田春彦さんの「赤錆の幕舎」や佐藤忠良さんの「緑」など、野外で風雨にさらされた作品を手作業で洗浄。蜜(みつ)蝋(ろう)のワックスを塗り、布で磨いてつやを出すなど一連の作業に真剣な表情で励んでいた。

 成城大3年の新村美季さん(22)は「表面がボコボコしていて洗いにくかった。どれだけ磨くかで光沢が変わり、作品の印象も変わるので勉強になりました」と話していた。

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