【特集】「日本一の星空」で村おこし 感動のプロジェクションマッピングも

宇宙創生などをイメージしたプロジェクションマッピング

 

 そして突然の静寂と暗転。見上げるとそこには阿智村が誇る星空がある。はじめは目が慣れないのでよく見えないが、1つ、2つと見え始め、いつしか星々が満天に広がっている。足元からしんしんと冷え込み、耳が痛くなる寒さだが、夜が深まるほどに星は輝きを増していく。

 望遠鏡で観察できるコーナーもある。すばるにピントを合わせてくれていたのだが、星の並びが自動車会社のSUBARU(スバル)のマークそのものだったのにびっくり。

阿智村の星空

 スターコンシェルジュが宇宙の不思議をレクチャーしてくれる「スターガイド」のコーナーも。ギネス認定のプラネタリウムクリエーター大平貴之さん設計のプラネタリウムがあり悪天候でも楽しめる。

 ただし会場は標高約900メートル。気温が氷点下に下がることもあるので防寒対策は万全に。

 阿智村では1973年、昼神温泉が湧出し、約20軒の宿がある。アルカリ性単純硫黄泉で、強いアルカリが肌によいとされ「美肌の湯」とも称されている。1泊2日で3回入浴したが、確かに肌はツルツル。体はぽかぽかといつまでも温かかった。

 星と温泉を堪能した翌日はどうするか。最近は自家用車ではなく公共交通機関を利用する若い観光客が増えているといい、そんな人のために半日のバスツアー「阿智村周遊BUS」が開設された。

バームクーヘン作りを体験

 12月のコースの一つが「バームクーヘン作り体験」。バスで飯田市の三和観光農園へ向かう。青竹に巻いた生地が半ば焼き上げられていて、後は用意された水で溶いた種をかけながらくるくる回して焼き上げる。油断していると焦げすぎてしまうので慎重に。焼きたてはさすがほっこりとしていた。

 

第三セクター阿智☆昼神観光局ブランディングディレクターでクリエーティブカンパニーNAKED代表の村松亮太郎さんは「デジタルなものに対し、上に星空、遠くに山というリアルな空間がある独特の世界観を感じてもらえたら」と話す。「この6500人の村をスタービレッジに育てたい」と夢を語った。

 「天空の楽園 Winter Night Tour 2017 -STARS by NAKED」は3月31日までの午後7時から10時に開催。大人2200円、子ども1000円。

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