住友商事、台湾CCの株式譲渡 現地流通「新光鋼鉄」と合弁に、販路拡大、事業基盤強化

 住友商事は13日、同社グループが100%出資する台湾のコイルセンター子会社「美生金属工業」(本社・台湾桃園市、董事長・神宮淑光氏)の株式のうち、50%を台湾で鋼材加工・販売を手掛ける新光鋼鉄股分有限公司(本社・台湾新北市、董事長・粟明徳氏)に譲渡したと発表した。美生金属工業はこれまで、日系の自動車・家電関連向けを中心に販売してきたが、新光鋼鉄が持つ台湾国内企業との幅広いネットワークを生かし、販路を拡大するのが狙い。仕入れソースとしての台湾CSC(中国鋼鉄)との関係強化も狙いの一つ。

 住友商事の合弁パートナーとなる新光鋼鉄は、薄板に限らず厚板、ステンレス、特殊鋼、工具鋼、鉄鋼構造物など多様な製品を扱う。品種面での広がりなどでシナジーを追求し、美生金属工業の事業基盤をさらに強化して業容拡大を目指す。

 美生金属工業は、住友商事が1990年5月に設立して以来約27年間、台湾で唯一の日系コイルセンターとして薄板の加工を中心としたコイルセンターサービスを提供してきた。年間加工量は約8万トン。主な設備はスリッター、レベラーなど。資本金は5億台湾ドル、今年9月末時点での従業員数は97人。

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