電線製造業の海外進出、過去最多の現地法人362社

 日本電線工業会(会長・伊藤雅彦フジクラ社長)は電線製造業の海外進出動向をまとめた。2017年の進出国は前年から1カ国増の47カ国。現地法人数は同8社増え、昨年に引き続き過去最高の362社となった。ユーザーである自動車・電機メーカーの海外事業展開に対応した立地の最適化により、現地法人数は増えたとみられる。

 進出した現地法人は32社で、撤退は24社。進出・撤退とも国別の最多は中国だった。また日本の電線製造業としてはセルビアとモルドバの東欧2カ国に新規進出。オセアニアのサモアからは撤退した。

 進出・撤退は16年9月~17年8月を対象に調査。対象となる現地法人は日本の電線メーカーが合弁や共同出資などを含めて開設した、電線の製造・加工を行っている先などとなっている。

 現地法人全362社のうち主力の銅電線については、品種別の最多がワイヤハーネスなどの輸送用電線で188社。機器用電線の96社、被覆線の50社が続いている。輸送用電線の現地法人数は10年から8年連続でトップ。

 進出地域では中国やタイ、インドネシアなどアジアが同3社減の242社、中東はサウジアラビアの1社で前年と同数だった。ルーマニアやロシアなど欧州は同7社増の49社、メキシコやアメリカなど北米は同1社増の34社、ブラジルやパラグアイなど南米は同1社増の17社となった。またモロッコやチュニジアなどアフリカは同2社増の17社、オーストラリアなどオセアニアは2社で前年と同数だった。

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