東洋アルミが2018年カレンダー 加山又造画伯の六曲一双屏風「天の川」

 東洋アルミニウムの2018年版カレンダーが完成した。今回の題材は、現代日本画家を代表する一人、加山又造画伯の六曲一双屏風「天の川」。加山画伯は祖父が絵師、父が京都西陣の織物図案家という家庭に育ち、幼いころから芸術に親しむ。東京美術学校(現東京芸術大学)を卒業後、動物を題材にした作品から、華麗な琳派風の作品、裸婦像や山水画、さらには版画や陶芸まで、常に新たな美の世界を追求。1997年に文化功労者に顕彰され、2003年には文化勲章を受章した。

 「天の川」は独自の着想と表現力が見事に結実した傑作。画面下部にススキや桔梗などの草花が咲く秋の野を大胆に描き、その上に天の川を激流のように力強く表現。最上部には群青の地に銀の星空が広がり、月と日輪を配し時間と空間に無限のスケールを生み出した。

 壮大な宇宙と静寂の大地の間に激しく渦巻く天の川は、混沌の現代に通じるものがある。「作品の魅力を可能な限り再現し伝えるため、当社アルミ箔素材を下地に高度な印刷技術で仕上げた」(東洋アルミニウム)。

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