IMSA:『NSX GT3』の初優勝を飾ったMSRが体制刷新。2018年のフル参戦は1台に

 2017年シーズン、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTデイトナ(GTD)クラスに2台の『アキュアNSX GT3』を投入し、同モデルの初優勝、さらに2勝目を飾ったマイケル・シャンク・レーシング(MSR)が来シーズンの体制発表を行なった。

 2012年のデイトナ24時間を制したMSRは今季、2016年まで活動の場としていたシリーズ最高峰のプロトタイプクラスを離れ、北米ホンダの支援のもとFIA GT3マシンで争われるGTDクラスに移行。

 同年から本格的なレースデビューを果たしたアキュラNSXを2台体制でレースに投入して第5戦デトロイトでNSXに世界初の優勝をもたらすと、続く第6戦ワトキンスグレン6時間でもクラス優勝を飾り、最終戦となる第12戦プチ・ル・マンまでタイトル争いを繰り広げた。

2台揃って走行する86号車と93号車NSX。2017年第10戦バージニア

 そんなチームは2018年に向けて体制を刷新。現体制からカスタマーベースのオペレーションに移行するとともにフル参戦車両を2台から1台に絞ることを明らかにしている。

 しかし、チームによればデイトナ24時間、セブリング12時間など全4イベントからなるNAECノース・アメリカ・エンデュランス・カップについては2台目のNSXを投入するといい、またIMSAシリーズ以外のレースに挑戦する可能性もあるという。

 ドライバーラインアップは今季、スティーブンソン・モータースポーツの57号車アウディR8 LMSをドライブしたローソン・アシェンバッハー、2009年のデイトナのGTクラスウイナーでNASCARエクスフィニティ・シリーズでの優勝経験もあるジャスティン・マークスをフル参戦する93号車NSXのレギュラードライバーに迎えた。

 また、NAECで起用される第3ドライバーにはマリオ・ファーンバッハー、デイトナ24時間をサポートする第4ドライバーに元インディカードライバーのAJ.アルメンディンガーが起用されている。

 デイトナ、セブリング、ワトキンスグレン、プチ・ルマンにのみスポット参戦する僚友86号車NSXについては、今シーズン93号車NSXをドライブしたキャサリン・レッグが引き続きステアリングを握ることが決定。レッグのチームメイトにはマクラーレン・ワークスドライバーのアルバロ・パレンテが選ばれた。

 なお、MSRは現時点でIMSA以外のレース参戦についての詳細を明かしておらず、86号車の第3、第4ドライバーについても不明となっているが、ドライバーラインアップについては年明けの1月に発表する予定だ。

「2017年にこのプログラムを通じて多くのことを学んだ。アキュラブランドを代表してNSXで臨んだ最初のシーズンで勝利を挙げられたことをとても誇りに思っている」と語るのはマイケル・シャンク代表。

「NSXは素晴らしいマシンだよ。我々はこのクルマでこれまでに学んだことを活かしながら勝利を重ねて行きたいと考えているんだ」

 一新されたドライバーラインアップについては「ジャスティン(・マークス)とローソン(・アシェンバッハー)というふたりの才能あふれるドライバーを迎え入れられ、非常にうれしく思うよ」とコメント。

 また、2台目のエントリーとなる86号車NSXは「1年間ドライブしたことでクルマの特性をよく分かっているキャサリン(・レッグ)と、経験豊富なアルバロ(・パレンテ)のふたりが長距離レースにおいて、チームの2次戦力としてプログラムを後押ししてくれるはずだ」と期待を寄せている。

第5戦デトロイトでNSX GT3に初優勝をもたらしたキャサリン・レッグ(左)とアンディ・ラリー(右)。中央はマイケル・シャンク代表
デビュー初年度で初優勝を達成した93号車アキュラNSX GT3

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