提訴により暫定となっていたS耐最終戦の正式結果が発表。ARN RACING永井/佐々木組の王者獲得が決定

 10月15日に岡山国際サーキットで開催されたスーパー耐久シリーズ最終戦。長らく暫定結果に留め置かれていたST-Xクラスだが、ようやくJAFモータースポーツ審査委員会からの裁定が下され正式結果が発表。8号車ARN RACINGの永井宏明/佐々木孝太組のチャンピオン獲得が正式に決定した。

 JAFモータースポーツHP上の公示(http://jaf-sports.jp/news/detail_000282.htm)を概略すると、岡山国際サーキットで行われたスーパー耐久シリーズ最終戦でポールポジション、すなわちST-Xクラスのトップを永井宏明/佐々木孝太組のARN Ferrari 488 GT3が獲得したものの予選後の再車検で使用燃料に違反(サーキット外で購入したガソリンを使用)が発覚し全タイムを抹消されていた。

 しかしながら、決勝レースへの出走を嘆願書の提出によって許されたことに対して、777号車D’station RACINGと1号車KONDO RACINGが抗議を提出。大会審査委員会は抗議をいったん却下したものの、両チームはこれを不服として控訴を行ったため暫定結果に留め置かれていたというものだ。

 しかし、この控訴は棄却され、12月4日付で裁定書がJAFモータースポーツのHPで公示されたのを受け、岡山国際サーキットも12日6日付で正式結果を発表。これにより、5位入賞を果たした永井/佐々木組のST-Xクラスチャンピオンも正式に決定した。

 最終戦のレース後には、「いろんなことが起きて、最後までハラハラのレースでしたけど、今回、決勝を走れたので、そこがよかったし、すべてのレースで完走しみんなでゴールまで走りきることができましたので、いい1年になったと思います」

「ハラハラしながらホッとしたというのがあります。昨年まではメルセデスSLSで戦い、スキルアップという形でやっていましたが、チャンピオンを目指してということで、今年は計画を立ててやり、それがバッチリ当たりました。ここ何年も積み上げてきたチームの蓄積とかをここに結晶にしたかなと思います」とコメントした永井。

 一方、佐々木は「本当に残念な、チームのミスで厳しいレースにはなってしまったんですが、その中で全力を尽くして、トップ争いを僕もしているし、同じようなペースで走れるっていうのをアピールもできました。表彰台には上がれなかったけど、このチャンピオンというのは価値のあるものだと思っています。オートポリスでも勝ち、ここ岡山でもちゃんとチェッカーを受けられた。きっちりと難しい中できたので、チームと永井さんに感謝ですね」と語っていた。

 ほぼ2カ月を経過して、ようやく認定されたチャンピオン。多少の心境の変化はあるだろうが、永井や佐々木のみならずチームスタッフ全員が改めてうれしさを噛み締めているに違いない。

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