お手柄 「注意喚起カード」で詐欺防止 コンビニ店員に感謝状 長崎・対馬

 長崎県警対馬南署(多田浩之署長)は13日、特殊詐欺を未然に防いだとして、対馬市厳原町のコンビニ、ファミリーマート厳原大手橋店従業員、西山大輔さん(42)に感謝状を贈った。多額の電子マネー購入客に、県警の「注意喚起カード」を渡したことが奏功した。

 同署は「カードは、一呼吸おいてもらうためのシグナル。もらったら、詐欺ではないか冷静に振り返ってほしい」と呼び掛けている。県警によると、カードによって被害を防げたのは13日までに11例という。

 注意喚起カードは昨年12月、県警が計22万枚を県内のコンビニに配布。「有料サイトの未納料金がある、電子マネーを買って番号を教えて、は詐欺です」のメッセージとともに警察相談ダイヤル(♯9110)の番号を印刷している。

 女性は11月17日夕、来店。「サイトの登録料金を支払わなければ、法的手続きをする」というメールを信じ、5万円分のプリペイド式電子マネーを購入した。不審に思った西山さんは会計時にカードを手渡した。

 女性は店を出た後、決済用番号を男に電話。しかし、カードを思いだし、相談ダイヤルで県警にアドバイスを求め、電子マネー決済会社に手続きしたため、5万円は引き出されずに済んだという。

 西山さんがカードを渡し被害を防いだのは2月に続き2回目。同署で多田署長から感謝状を受け取った西山さんは「今後も被害を防ぎたい」と話した。

詐欺の「注意喚起カード」(写真左)を客に渡し、架空請求詐欺被害を防いだ西山さん=対馬南署

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