【新社長】〈星野産商・星野泰相氏〉「必要な循環型システム」追求 新製品の積極開発で競争力強化

 9月26日付で就任。「世の中に必要とされる会社であり続けるためには、本当に必要な循環型システムは何かを追求し、実現させたい」と抱負。

 同社は、1961年より電炉メーカーから発生する製鋼スラグを母材に、コンクリート骨材を年4万トンペースで手掛ける。これまでの半世紀で消波ブロックをはじめ風力発電所や高架下部工事、陽子線治療病棟向け重量コンクリートなど全国に供給実績を有しており、資源リサイクルを通じて日本のインフラを支えてきた。事業多角化の一環として、医療系廃棄物の収集・運搬(2007年にメディスター設立、分社)や製鋼副資材の製造販売(同・エコスター設立・分社)なども行う。

星野商産・星野社長

 「足元は首都圏を中心とするインフラ整備が積極的に行われており、目先も堅調なコンクリート骨材需要が見込まれる。しかし、新設の公共工事の縮減傾向に変わりはない」と危機感を募らす。「遮音コンクリートなど新たなニーズが寄せられており、ユーザーが何を求めているのか、どんな骨材が使用しやすいのかなどを敏感にキャッチしながら、新製品開発にも積極的に取り組みたい」と、新製品投入と自社製品の高付加価値化で競争力アップを狙う。また、最近は塗装業界向けのショットブラスト材の輸入販売の事業を立ち上げるなど、業容の拡大にも意欲的だ。

 「コスト面における生産改善や、需要見合いの供給体制の構築など解決すべき課題は多い。しかし、当社の従業員一人ひとりの能力は高いと自負がある。社員と一丸になりながら、同じ目標に向かって前へと歩みを進めたい」

 子どものころからギター職人への憧れを持ち続けており、休日は自らが材料を手配し、ギターづくりに没頭する。(齊藤 直人)

略歴

 星野 泰相氏(ほしの・たいぞう)1996年法政大社会学部卒、2003年星野産商入社、経理などを経て、07年メディスター社長就任、17年9月星野産商社長兼任。72年12月7日生まれ、45歳。名古屋市出身。

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