古河電工産業電線、九州工場で撚線機更新 LMFCなどの生産増強

 古河電工産業電線(本社・東京都荒川区、社長・松本康一郎氏)は2019年内をめどに、北九州市門司区の九州工場で約2億円を投じて電線導体用の撚線機1機を更新する。注力製品である可とう性難燃ポリエチレンケーブル(LMFC)などの生産に用いるもの。老朽化対応の投資として実施するが、最新鋭機を導入することで生産性や製造能力が高まる。

 同社では製造の効率化を経営の重点項目の一つとして位置付けており、九州工場では毎年1割の生産性向上を目標に掲げている。段取り替え時間の短縮などの取り組みと併せて、高速生産が可能で工程に最適な新鋭設備を取り入れて効率化を加速させる。

 また配電盤などに用いるLMFCの需要は東京五輪の特需や首都圏の再開発プロジェクトの進展などに伴い今後拡大する見通し。同社では大電流対応や、高柔軟性による優れた施工性を武器に拡販に進めており、配電盤専業メーカーのほかに総合電機メーカーの配電盤部門にも顧客基盤を拡大させている。LMFCの主力製造拠点である九州工場で最新鋭の導体撚線機を導入し供給能力を拡大することで、スムーズにニーズに対応する狙いもある。

 九州工場では16年にも設備投資を実施しており、LMFCの製造に用いる導体用のめっき設備や細物の伸線機2台を増設している。

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