「対馬博物館」1月着工 2020年の開館目指す

 長崎県と対馬市が2020年開館を目指し、同市厳原町に建設する対馬博物館(仮称)が15日、来年1月に着工することが決まった。二つの工区のうち、メインの博物館棟ゾーン(建設費約23億7千万円)について、同日の対馬市議会で工事請負契約に関する議案が可決された。

 対馬博物館は、対馬の歴史・文化を発信しようと、築40年で老朽化した県立対馬歴史民俗資料館などがある市有地(敷地面積約6300平方メートル)に計画。

 博物館棟ゾーンは鉄筋コンクリート造一部鉄骨造3階建て(延べ床面積約4100平方メートル)で、資料館横の駐車場部分に建設。外観は景観に影響を与えない黒を基調とした配色。内部は「蔵」をイメージした造りで、1階部分に歴史資料の展示室や市の事務室などを設け、2・3階は収蔵庫や県の事務室などを置く。収蔵庫には、資料館の所蔵品のほか、近年の仏像窃盗事件を受け、市内の仏像などを寺院や個人から預かることも想定している。

 建設費は、延べ床面積のうち県占有部分(約325平方メートル)と市占有部分(約1376平方メートル)の割合で算定。県部分は、後に県が負担金として支出する。

 もう一つの工区の「交流棟ゾーン」は、資料館を解体後、建設に着手する。具体的な中身は未定。

 市博物館建設推進室は「研究や修復保全機能がある県と協力し、対馬の文化財保護を図りたい」としている。

県と対馬市が2020年開館を目指し、来年1月着工する対馬博物館(博物館棟ゾーン)の完成予想図。左奥は、金石城跡の櫓門(同市博物館建設推進室提供)

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