長寿社会地域で支え 講演会で見守り活動報告 川崎

 「人生100年時代」と言われる長寿社会に求められる地域社会づくりについて考える講演会が15日、川崎市川崎区の同区役所で開かれた。区内の自治会・町内会の見守り活動などが報告され、約160人が耳を傾けた。

 同区役所が主催。高齢者が心身が弱っても住み慣れた地域で自立した生活を送るために欠かせない地域包括ケアシステムを推進する目的で開催した。

 まず東京大学高齢社会総合研究機構の後藤純・特任講師は、単身高齢者が急増していく今後の超高齢社会に向けた地域づくりをテーマに講演した。

 後藤氏は、医療・福祉サービスに加え、住民の支え合いや見守りの必要性を強調。その上で「地域のためでなく、5年後、10年後の自分のために必要なのが地域の輪。元気なうちから楽しく仲間づくりに取り組んでほしい」と呼び掛けた。

 続いて住民主体で特色ある見守り活動を展開している3団体が報告を行った。

 潮田地区民生委員児童委員協議会は、増え続ける高齢者に民生委員児童委員だけでは十分な見守りはできないことから町内会で福祉協力員を募集。洗濯物が干しっぱなしだったり、夜も室内が暗かったりと、気になる近所の高齢者宅の“異変”に協力員が気付いたときに民生委員に連絡する連携体制を紹介した。池上新町町内会と鋼管通2丁目町内会も災害時の助け合いネットワークづくりなどを話した。

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