情熱の音色奏で40年 厚木交響楽団が記念演奏会

 厚木市を拠点に活動する厚木交響楽団が今月、創立40周年を迎えた。1977年に県央地区のアマチュアオーケストラとして産声を上げ、歴史をつないできた。17日には40周年を記念した締めくくりの演奏会があり、ベルリオーズの幻想交響曲をはじめ、アンコール含む5曲を熱演した。

 同楽団は、元NHK交響楽団トランペット奏者で同市教育委員会音楽指導員だった故・坂本朝六氏の「県央にもオーケストラを」との呼び掛けなどで77年12月に結団。練習場所が確保できず会場探しに奔走したり、会社勤めの団員が転勤で去ったりと苦境もあったが、地道に活動を継続。現在は同市を中心に会社員や主婦、学生など約70人が参加する。

 同日の演奏会は、40周年記念公演シリーズ(計3回)最終回で、プロ指揮者の田久保裕一さんやNHK交響楽団の首席ホルン奏者の今井仁志さんが客演。幻想交響曲や、モーツァルトのホルン協奏曲・第1番など5曲を奏で、会場から多くの拍手が送られた。

 演奏をとりまとめるコンサートミストレスの天野克子さん(79)は「団員は皆、それぞれ仕事や家庭がありながら、音楽への情熱を後押しに活動を続け、ともに成長してきた」と振り返った。79年から現在まで団長を務める神崎和夫さん(67)=厚木市長谷=は「素晴らしい多くの出会いと縁で40周年を迎えられた。市民に寄り添ったオーケストラとして今後も活動を続けたい」と感謝していた。

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