金属行人(12月18日付)

 「インスタ映え」や「忖度(そんたく)」などの流行語大賞や「今年の漢字」が発表され、何となく年末ムードが高まってきた▼毎年この時期になると話題になるのが年末年始の休暇。暦の関係で例年に比べて休みが短いという企業が多いようだが、中には仕事納めを27日、新年は3連休後の9日始動といった話も聞く▼今年の流行語の一つ「働き方改革」の一環で、年末等の有給休暇を奨励している企業も多い。ただ日本人は「有給休暇取得の罪悪感」を感じる向きも少なくないそうで、取得率は諸外国に比べて格段に低い。政府は2020年までに取得率70%を目標に掲げているが、「周りが働いているときに休めない」みたいな雰囲気を改善する方が先決のように感じる▼人手不足に対応するため、宅配便業界などでは「週休3日制」導入も話題になった。「育児と介護を両立しやすい」「プライベートの充実」などのメリットを挙げる声がある一方、「必要人員の増加」「給与の目減り」といった課題も浮き彫りになっているという▼「週休3日」を導入して業績が上がった例もある。結局、会社の規模や業容に見合った「働き方改革」の制度が大事ということだろう。それにはさまざまな角度からの〝忖度〟が必要なのだと思う。

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