住友電工、超硬チップの生産拡大 北海道の子会社で工場増設

 住友電工は15日、金属の切削加工などに用いる超硬合金製の刃先チップの生産体制を強化すると発表した。昨今世界的に需要が拡大しており、対応に向けて子会社の北海道住電精密(北海道奈井江町)で工場を増設する。増設する設備の全面稼働は2019年12月の予定。投資金額は約80億円で、住友電工グループ全体の超硬チップの生産能力は約2割増となる。

 超硬チップはタングステンなどの金属を用いた製品で、金属加工設備の刃先として使われる交換用の消耗品。自動車をはじめ発電や航空宇宙など幅広い産業分野での機械加工に用いられており、昨今は新興国の経済発展などでグローバルニーズが増えている。

 新たに建設する工場は建屋面積が約1万1千平方メートル。中間製品を完成品に仕上げる加工設備を導入する。今回の増強投資により、人員は最終的に約50人を増員する予定。

 住友電工では「今後も供給体制の拡充と高性能な製品の開発に取り組み、世界のものづくりを支えていきたい」としている。

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