【記者座談会 非鉄この1年】〈(4)アルミ加工・合金〉建材各社、海外展開見直し

©株式会社鉄鋼新聞社

E サッシなどアルミ建材の業界ではここ数年積極的な海外展開が目立っていたが、今年はどうだったか。

C 国内の新築関連市場の成熟化が見込まれる中で各社とも海外展開を強化してきたが、ここにきて事業を見直す動きが目立ってきた。最大のトピックはLIXILが子会社のカーテンウォール世界最大手、伊ペルマスティリーザー社の売却を決めたこと。ペルマ社は受注物件の本体工事の遅れなどで損益が悪化しており、約600億円で中国企業に売却される。またYKKAPはブラジル事業を現地の建材メーカーに譲渡。不二サッシは昨年の段階でマレーシアのアルミ形材事業から撤退している。

D 国内市場では高断熱な樹脂窓・アルミ樹脂複合窓が存在感を増しているが、その流れは加速するのか。

C 今後もアルミ窓からの代替は進みそう。戸建て住宅関連では発電や省エネで一次消費エネルギー量をゼロにするネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及などが高断熱窓の需要をけん引するだろう。大手メーカーでは現在一般的なアルミ窓と同水準の価格でアルミ・樹脂複合窓をラインアップして高断熱化のニーズに対応している。さらにビル関連ではYKKAPが今年度中に低層集合住宅向けの複合窓と、ホテルや病院に照準を合わせた樹脂窓を市場に投入する。

E 産業用などの形材やエクステリアなどアルミを使った製品群の状況については。

C 不二サッシでは形材子会社で中京地区に営業所を増設。加えて大型・長尺品に対応した熱処理炉を導入し、自動車や鉄道などの関連で受注拡大を目指している。YKKAPでは素材特性を生かして軽量化ニーズを取り込み、形材外販を強化する方針だ。エクステリアでは運送業者の人手不足に対応した宅配ボックスなどの需要拡大が今後期待されるだろう。またLIXILが構造を根本的に見なおしたカーポートの戦略製品を発売したほか、YKKAPは高シェアの玄関ドアとデザインをそろえた門扉・フェンスなどの提案で販売増を狙っている。

D アルミ二次合金業界は最大需要先である国内自動車メーカーの生産堅調を受けて、各社とも軒並み底堅く推移した1年と言えるだろう。

E 日本アルミニウム合金業界がまとめた17年度上半期(4~9月期)の二次合金生産実績によると、生産。出荷ともに2期連続で前年同期を上回った。缶材向けが主力の板需要はほぼ横ばいだったけど、サッシ類が多い押出需要は1割近くも伸びたようだね。

A 輸入塊も相当な引き合いが見られた。財務省の貿易統計によると、アルミ合金輸入は10月時点で、12カ月連続の前年同期超えだ。10万トン台を上回る高水準が続いたことも近年では珍しい。

B アルミ二次合金市況は中国やロシアからの輸入塊の動向に大きな影響を受ける。特に中国産のダイカスト合金(AD12種)のオファー価格が高騰し、ロシア産塊も連れ高となった。

A 中国産塊の高騰の原因は何だったのかな。

D 環境規制政策の一環で、現地メーカーが高品位のゾルバ(ミックスメタル)を積極的に調達せざるを得なかったことだろう。中国では、来年3月から輸入スクラップを厳格化させる見通しだ。比較的低品位なスクラップからの再生塊が多いロシア産塊が値上がりしたのも、中国産価格の上昇に引っ張られた側面が強いとみられる。

C 大手二次合金メーカー各社の生産はフル操業に近い状態が続いたようだけど、各社の動向は。

D 業界最大手の大紀アルミは、インドネシア拠点の「ダイキアルミ・インドネシア」(DAI)の第2溶解工場が竣工し、11月から稼働を始めた。ゾルバなど原料の選別工場はすでに竣工済みだった。これによって、DAIのアルミ二次合金月産能力は年初比2倍強の1万2千トンへと増強されることになる。

大紀アルミのインドネシア拠点

A インドネシアやフィリピンなど海外拠点もフル操業で、大紀アルミの好決算につながったね。国内の設備関連では関係会社の聖心製作所(滋賀県)のダイキャスト事業を強化する方針だ。

B 日軽エムシーアルミも海外展開を加速させている。米国において昨年から独ラインフェルデン社の開発合金のライセンス販売をスタートさせた。今年の生産量は若干減るものの、現地で拡大する自動車軽量化需要を背景に高水準な生産が続く見通しだ。