でかっ!クロハゲワシ “迷鳥”五島に飛来 愛鳥家が撮影成功

 長崎県五島市岐宿町の農耕地に迷鳥のクロハゲワシが現れ19日、市内の愛鳥家が撮影した。佐世保市の九十九島動植物園(森きらら)によると、生きた個体の県内での確認は、1995年に上五島で保護され森きららが飼育する個体以来。五島市の鐙瀬ビジターセンターは「福江島では初めて」としている。11月には諫早市でも目撃情報があったが、同じ個体かは分からない。

 森きららなどによると、クロハゲワシはタカ科で、主に中国やモンゴルに生息する。羽を広げると2・5メートル以上で、国内の迷鳥では最大。日本にも渡来するが非常に珍しく、現在国内で展示しているのも森きららだけ。ただ今年は11月から諫早や県外でも相次いで姿が目撃されているという。

 五島市での第1発見者は新港町の会社員、吉田竜成さん(29)。岐宿町で18日午後に見つけて仲間に報告し、19日はカメラを持って早朝から午前11時前に飛び立つまで撮影した。若い個体とみられるが2メートルは優に超えていたといい、「圧倒的な大きさで驚いた」と幸運を喜んでいた。

農耕地に現れた後、飛び立つクロハゲワシ。左はカラス(吉田竜成さん提供)
農耕地に現れ飛び立ったクロハゲワシ=五島市岐宿町(吉田竜成さん提供)

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