今でないとダメですか? 「ながらスマホ」啓発 川崎

 川崎市麻生区で今月7日、女子大学生が電動自転車を運転中にスマートフォン(スマホ)画面を操作し、歩行中の高齢女性をはね、女性が死亡した事故。自転車利用者が多い高津区は、「かわさき市政だより」の同区版最新号で「ながらスマホ」に警鐘を鳴らしていた。今回の事故を受け、同区は街頭での啓発活動も開始。他の区でも多くの人の目に届く「たより」の各区版で注意喚起しようという動きが出始めている。

 市政だよりの区版では毎年12月1日号に、多くの区が年末年始の防犯や交通安全などの特集を組んでいる。今年は川崎、幸、中原、高津、多摩の5区が1ページ目で「振り込め・還付金詐欺被害防止」や「飲酒運転禁止」「火災予防」などを呼び掛けた。

 そんな中で高津区は今回、「『ながらスマホ』のトラブル防止」を重点項目の一つに打ち出した。同区危機管理担当は、区版を所管する企画課と連携し、区民の自転車利用が多い地域特性を踏まえ、「歩行中に加え、自転車運転中のスマホ利用の防止を呼び掛けた」という。

 麻生区の事故を受け、市政だよりの区版を活用した「ながらスマホ」防止への動きは、他区にも広がりを見せつつある。麻生区の企画課は「すぐに次号で、というのは難しいが、編集会議を経て掲載を検討したい」と話す。川崎と多摩両区の同課も区版で今後、「交通安全」の枠組みの中で注意喚起するという。中原区は昨年末の区版でいち早く「ながらスマホ」を取り上げたため、所轄警察署とも相談しながら方針を考えるという。

 一方、高津区は今回の事故を「他区での事故と考えてはいけない」と警戒感を強め、20日に街頭で自転車の運転マナーを守るアピール活動を行ったほか、22日の合同防犯パトロールでも「ながらスマホ」防止の啓発活動を実施する予定だ。

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