中学スポーツの祭典、全国中学体育大会夏季大会が8月、8年ぶりに九州沖縄8県を舞台に行われた。県勢は13競技に出場。県内でもソフトテニスと新体操の2競技で熱戦が繰り広げられた。
団体で出場する条件は、原則的に九州大会で代表権を勝ち取ること。だが、本県開催の2競技には開催県枠があった。「今年は全国出場のチャンス」と選手たちが意欲を燃やし、県大会は例年以上に白熱。ソフトテニス男子の布津、女子の東長崎、新体操の活水は県王者に輝いた時点で出場を決めた。
この3校は九州大会でも上位に進出。九州代表出場権をつかんだため、県で2位だったソフトテニス男子の広田、女子の諫早、新体操の東長崎に開催県枠が回ってきた。活水の選手たちは「県2位の東長崎と一緒に出たかった」と笑顔を見せた。
迎えた本番。新体操の活水は6位に入り、県勢初入賞を果たした。「せっかくの地元開催なので、長崎の魅力を伝えたい」と、龍踊りなどをイメージした振り付けを披露。華麗な演技で全国から訪れた観客を魅了した。
ソフトテニスは本県から男女団体4校個人6組が出場。会場では、長崎弁の声援が大きく響いた。夏休み期間中で、友人の応援に駆けつけた制服姿の生徒も。「大丈夫ぞ」「応援で勝たすっけん」-。親しみのある面々からの声援は、どれほど選手たちの力になっただろうか。
参加したのは選手だけではない。開催地の長崎市と大村市では多くの中学生が運営ボランティアを務めた。各地から訪れる人々に丁寧なもてなしで対応。大会の様子を間近で見て、「すごい」と漏らす生徒もいた。
選手、応援、ボランティア。それぞれの立場で大勢の中学生が大会に関わった。県中体連の木場文彦理事長は「憧れの舞台に立った喜びを感じたり、全国のレベルの高さに驚いたり、貴重な経験となったことだろう」と振り返った。
このほか、陸上男子走り幅跳びで3位の松本汰壱(郷ノ浦)、剣道女子団体で8強入りした中部など離島勢が活躍。地理的ハンディを抱え、学校の規模が小さくても、全国で戦えることを示した。来年は中国地方で開催する。今回の経験を競技力の向上につなげてほしい。熱い夏を忘れないうちに。