ツアーラストで熱狂 進化続ける[Alexandros]

 ロックバンド[Alexandros]が20日、東京、名古屋、大阪で行っていたツアーを東京・台場のZepp東京で終えた。約2時間半のステージでは最新曲「明日、また」など25曲を披露。年内最後のワンマンライブは熱狂に包まれた。

 3、2、1のカウントでフロアの照明が消された会場。真っ赤に染まったステージにメンバーが姿を現すと、観客は大歓声で迎えた。「Burger Queen」で始まったライブは、序盤からヒートアップ。「Droshky!」では、ひしめき合う客の頭上に後方の客がダイブし、ステージまで回転するなど、激しい盛り上がりを見せた。

 約1時間、ノンストップで歌い続けたボーカル・ギターの川上洋平(35)は、「いまんとこ、オレたちの方が楽しんでますね」とファンを挑発。「近くに夢の国もあることだし、レアな曲をやります。歌える人は一緒に」と続けると、映画「メリー・ポピンズ」の劇中歌「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」をカバーし、会場を沸かせた。

 雷鳴がとどろく雨の効果音の後に始まった「Thunder」では、エフェクトをかけたボーカルで独自の世界に引き込んでいく。幻想的な演出に、観客からため息がもれた。

 ことしは曲作りのために、米ニューヨークのブルックリンで約3カ月ほど共同生活をし、音楽漬けの日々を過ごした。川崎市内で共同生活を送っていた時期もあった4人だが、ニューヨークでの生活はお互い気になっていたことをぶつけ合うなど意識改革にもつながったよう。

 帰国後、「ただやりたいことをやるだけ」と「NO MEANING」と題して周った6公演は、アルバム発売後に行うライブとは違って新旧曲を織り交ぜた特別なものになった。終演後に川上は、「ニューヨークでの濃い時間を、生かすことができた。この経験を曲にして、みなさんに届けたい」とさらなる飛躍を誓った。

 大みそかには、千葉・幕張で行われる音楽イベント「カウントダウンジャパン」のメーンステージで年越しライブを行う。

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