ローマ法王が謝意 平戸市に手紙届く

 長崎県平戸市は21日、ローマ法王フランシスコから手紙が届いたと発表した。市が春日集落(同市春日町)で収穫した棚田米を献上したことに対し、感謝や市民への励ましがつづられていた。

 同集落は世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「平戸の聖地と集落」に含まれる。黒田成彦市長らが11月にバチカンを訪れ、枢機卿を通じ計12キロを献上。親書を添え、環境保全を担う市民の励みとなるようメッセージを依頼していた。

 市によると、バチカン国務省から封書で13日に届いた。A4判用紙1枚に英語で、法王が担当補佐官に口伝えし文面に書き起こしている。それによると、親書を読んで喜び、米の献上に感謝。「長年にわたり祖先が継承してきた貴重な文化遺産から、今後も市民が励みを得るよう祈る」という趣旨が記されていた。

 バチカン訪問は、曽祖母が生月町出身の縁で「平戸名誉大使」を務める世界的な指揮者、西本智実さんらの仲介で実現。市文化交流課の植野健治係長は「法王の気持ちに感謝し、価値ある資産の保全に一層励みたい」と話した。

ローマ法王から届いた手紙=平戸市役所

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