【非鉄流通のいま】〈「板条の村木」で知られる老舗問屋・村木商事〉 金属加工事業をさらに強化

 村木商事(本社・東大阪市、社長・村木俊文氏)は1928年に村木和夫氏が大阪市天王寺区で創業した老舗の非鉄流通問屋。49年には村木商店として法人化している。「板条の村木」として業界で知られ、顧客は約400社。商圏は愛知・岐阜・富山県以西の西日本地域で従業員が20人。

 「銅、黄銅の板条が看板商品だが、それだけに特化した経営は難しい。要望に応え、銅では線・管・フラットバーなどを、銅系以外ではアルミやステンレスなどを取り扱う。特にここ5年は加工に注力している。村木商事を便利に使ってもらうこと、得意先に喜んでもらうことが喜び。それが当社の存在意義だ」(村木社長)。

 拠点を置く東大阪市は〝工場密度全国1位〟で、ものづくり企業の集積地。「得意先で金属の加工業者も多い。レーザ・旋盤・直線などの各種加工は、顧客のネットワーク内であらゆる金属加工が行える。専任担当者を置き、加工業者リストの作成、図面講習の受講、図面や部品の見積もり対応など、ノウハウを蓄積。金属加工事業は軌道に乗ってきた」(同)。

 売上比率は銅・真ちゅうが75%、アルミが20%、ステンレス・鉛などのその他が5%。倉庫には120~130トンの銅・黄銅の板・条を在庫している。

 仕入れ先は三井住友金属鉱山伸銅、三菱伸銅、サンエツ金属、片木アルミニューム製作所など約250社。

 独自製品ではナメクジ忌避用銅コイル「ドーダ」、「柱巻・隅木キット」がある。「ドーダ」は木に巻き付けるだけで銅イオンの効果が長期に持続、従来の防虫材料や殺虫剤などよりも経済的。今年4月には国際銅協会(ICA)の銅の殺菌効果を示すブランド「 Cu+」認証を取得した。

 「素材高の恩恵も受け、業績好調で17年11月期は前期比で大幅なアップとなった。11年後に創業100周年の節目を迎える。課題はきめ細かな顧客対応を継続しながら、さらに加工事業を拡充すること。今後の高齢化社会を見越した健康関連の新製品も開発していきたい」(同)という。(白木 毅俊)

会社概要

 ▽資本金=3千万円

 ▽本社=大阪府東大阪市若江西新町1―2―13

 ▽社長=村木俊文氏

 ▽TEL=06―6729―2591

 ▽主な扱い商品=非鉄金属材料(銅・真ちゅう、アルミニウム、ステンレス、鉛など)、金属製屋根材・雨どい部材、ナメクジ忌避用コイル、柱巻・隅木キット、別注品、各種金属加工(図面品にも対応)

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