JFE精密のPVDコーティング被膜、建築鉄骨穴あけ加工の工具寿命4~5倍に

 JFE精密(本社・新潟市、社長・多賀根章氏)が、鉄骨一次加工用の工具の寿命を2倍以上に高められる独自コーティング皮膜の受託サービス事業に力を入れている。建築構造用ハイテンなど高強度鋼の穴あけ加工で既存の被膜と比較し、加工速度向上や長寿命化で高い評価を受け、全国で採用実績が増えている。用途に応じた最適な被膜をそろえるなど独自の生産管理システムを構築。全国に広がるネットワークを生かし、切削工具や金型の再研磨から再コーティングまでを数日から1週間の納期で対応する。

 鋼材流通・加工の澁井鋼材(本社・新潟市東区)では穴あけ加工に採用し、従来被膜に対し2倍以上の効果を上げた。ハイス工具用の独自被膜「SX―H」とノンコートの切削工具を比較した場合は4~5倍、チタン被膜比で2~3倍の寿命増が見られた。コーティング費用は切削工具本体の約2割程度で、全国の建材加工メーカーで採用事例が増えている。

 需要家の課題解決に対しては専任のコーティングプランナーが全国各地に駆け付け、即座に解決策を提案する。多賀根社長は「コーティングは今まで自動車部品、機械部品で採用されてきたが、弊社はもともと鋼材加工の豊富な知識を持つエンジニアがそろう。好況な建築分野で高強度材の採用が増加しており、作業性、生産性向上に貢献していきたい」と語る。

 《問い合わせ先》

 同社コーティング事業部▽電話=025(271)0711もしくは「ココロコーティング」で検索。

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