JFEエンジ、川崎市・瀋陽市らと覚書締結 産業廃棄物処理事業を検討

 JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は25日、川崎市および中国・瀋陽市、遼寧牧昌国際環保産業(本社・瀋陽市)と覚書を締結したと発表した。瀋陽市における産業廃棄物処理事業の事業化を検討する。今月24日に都内で開催された「第11回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で締結式が行われ、阿部吉郎常務執行役員が出席した。

 瀋陽市は中国東北地方最大規模の都市で、200社以上の日系企業が進出する商工業の中心地。年間500万トンを超える産業廃棄物が排出されるが、2015年に中国で環境保護法が強化されたことを背景に産廃処理業者が減少。産廃処理施設は数カ所程度しか存在せず、他の地域に持ち込むなどコスト増となっている。今回4者による検討を進め、18年度半ばまでには事業化の可否について結論を出す予定。

 JFEエンジは川崎市で一般廃棄物焼却施設である浮島処理センターの建設などを行っている。また、子会社のJFE環境でも川崎市内に焼却炉を保有するなど全国で産業廃棄物の処理事業を展開してきた。JFEエンジは中国でも青島に日当たり処理能力500トン×3炉、上海で同400トン×2炉の焼却施設を建設した実績を有する。一方、川崎市は36年間にわたり瀋陽市との友好都市交流を続けており、環境・省エネ分野の行政ノウハウを提供してきた実績を持つ。

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