フジクラ、電線流通の「フジデン」売却 合弁先の播州電機に10億円で

 フジクラは25日、建設用電線などの販売子会社であるフジデン(本社・千葉県浦安市)を2018年1月31日をめどに合弁先の播州電機(本社・大阪府守口市)に売却すると発表した。播州電機から事業強化に向けて完全子会社化の打診があり、それに応じた。フジクラでは今後も電線供給などフジデンとの取引関係を継続。事業の強化で播州電機グループの競争力が高まれば、フジクラからの電線販売も拡大する。株式の譲渡価格は9億7600万円となっている。

 フジデンはフジクラが59・5%を、播州電機が40・5%をそれぞれ出資している。建設・電販用の電線を販売。電材店向けの市販市場で大手となっている。播州電機の事業にフジクラが資本参加したという経緯もあり、今回合弁先からの求めに応じてフジクラが持つ全株式の売却を決めた。25日付で合意書を締結しており、1月31日に売却する予定。

 フジデンは17年3月期の売上高が約350億円で、経常利益が1億6400万円。従業員数は約200人で、資本金は1億3800万円となっている。北海道から九州まで幅広い販売網を持ち、電材店向けの商圏を全国でフォローしている。播州電機は売上高が45億円で資本金が6500万円。従業員数は9人となっている。播州電機としては今回のフジデンの完全子会社化により販売チャネルの拡大などでメリットが出るとみられる。

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