西武・秋山、鷹・柳田が傑出 「打って走れる」選手ランキング、パ・リーグ編

ソフトバンク・柳田(左)と西武・秋山【写真:藤浦一都、編集部】

「P-S」で見る「打って走れる」選手ランキング

 打者のセイバーメトリクスの指標の一つにP-S(Power-Speed-number)というものがある。長打力と俊足を兼ね備えた選手を評価する指標だ。

 数式は(本塁打×盗塁×2)÷(本塁打+盗塁)、この数値が20以上だとパワーとスピードを兼ね備えた打者だということになる。

 今季のMLBでP-Sの上位5人は以下の選手。

1.ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)27.43(本塁打24 盗塁32)
2.マイク・トラウト(エンゼルス)26.40(本塁打33 盗塁22)
3.ムーキー・ベッツ(レッドソックス)24.96(本塁打24 盗塁26)
4.ウィット・メリフィールド(ロイヤルズ)24.38(本塁打19 盗塁34)
5.ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)24.00(本塁打36 盗塁18)
5.ウィル・マイヤーズ(パドレス)24.00(本塁打30 盗塁20)

 今、働き盛りのMVPクラスの選手が上位に並ぶ。やはり優秀な選手をピックアップする指標の一つであることは間違いないだろう。

 この数値は本塁打、あるいは盗塁が0の選手は「0.00」になる。端的な数字であり、総合的な選手の評価ではないが、「打って走って」というタイプの選手を抜き出すという点で優れている。

今季のパ・リーグのランキングは

 今季のNPBのP-Sの数値を見ていこう。まずはパ・リーグ。

1秋山翔吾(西) 19.51 (本塁打25盗塁16)
2柳田悠岐(ソ) 19.29 (本塁打31盗塁14)
3西川遥輝(日) 14.63 (本塁打9盗塁39)
4今宮健太(ソ) 14.48 (本塁打14盗塁15)
5外崎修汰(西) 13.94 (本塁打10盗塁23)
6上林誠知(ソ) 12.48 (本塁打13盗塁12)
7ウィーラー(楽) 11.42 (本塁打31盗塁7)
8中村奨吾(ロ) 9.90 (本塁打9盗塁11)
9荻野貴司(ロ) 8.39 (本塁打5盗塁26)
10金子侑司(西) 8.33 (本塁打5盗塁25)

 同じ1988年生まれの秋山、柳田が1、2位。秋山の昨年のこの数値は、13.66(本塁打11盗塁18)だったが、本塁打が倍増し、トップに躍り出た。柳田は、トリプルスリーを達成した2015年には32.97(本塁打34盗塁32)を記録している。この2人はともに中堅手としても優秀。守備範囲が広く、強肩だ。「打って守って走れる」5ツールプレイヤーということになる。

 このランキングで30歳以上は楽天のウィーラー(30)とロッテの荻野貴司(32)だけ。MLBもそうだがP-Sは、やはり20代の若い選手が有利だと言える。

 今年売り出した西武の外崎修汰、ソフトバンクの上林誠知あたりが、先輩の秋山、柳田を脅かすようになれば、ペナントレースはさらに面白くなるだろう。

(Full-Count編集部)

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