IHI運搬機械のクレーン遠隔保守システム、採用拡大 製鉄所向けなど計20基納入

 IHI運搬機械(IUK、社長・館野昭氏)が、主力機種のアンローダやクレーンでIoTの活用を進めている。これまで製鉄所の石炭荷役用アンローダクレーンや建設用クレーンなど計20基納入した。的確な保守・メンテナンスにつながり、安定操業に寄与すると見た顧客側にも採用を進める動きが広がっている。

 IUKでは、パーキングシステム事業でかねて遠隔管理システムを運営しており、この技術を運搬システム事業でも活用。アンローダなどの劣化や故障の予兆をIoTで把握できる遠隔保守システムを実用化し、昨年上期から提案を進めてきた。当初は顧客側に機材のデータを採取されることへの抵抗感もあったが、徐々にメリットの方が注目されているという。

 IHIグループは機器を販売するだけでなく、そのメンテナンスを含めたライフサイクルビジネスへの事業展開を強化している。リモートメンテナンスの共通プラットフォーム、ILIPS(アイ・リップス)も活用し、より幅広く顧客ニーズに応えていく考え。

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