【富山×岐阜】風情ある町並みを楽しむ大人の女子旅② 飛騨高山と城端

美しい町をのんびり散策しながら地元グルメもじっくり味わいたい……と思ったら、富山県と岐阜県の風情ある町を渡り歩いてみませんか? 距離が近く昔からつながりも深い両県。大人の女子旅や夫婦旅行にぴったりの、古い町並と祭り文化が息づく美しい土地を巡る旅「富山×岐阜」シリーズ。今回は「飛騨高山&城端編」をお届けします。

こんにちは。チイキイロ編集部のモノづくり憧れ系女子 ツキミです。

富山県と岐阜県をまたいで風情ある町並みと地元グルメを楽しむ旅シリーズ。今回は2話目となる岐阜県「飛騨高山」と富山県「城端(じょうはな)」編です。

古い町並って、歩いているだけで不思議と落ち着いてくるんですね。歴史ある町がお好きな方はもちろん、ちょっとお疲れ気味の方にもおすすめしたい素敵な町をご紹介します。

※1話目はこちら↓
⇒【富山×岐阜】風情ある町並みを楽しむ大人の女子旅① 越中八尾と飛騨古川

飛騨牛と宮川朝市は外せない 岐阜県:飛騨高山

1日目、岐阜県・飛騨古川で飛騨の匠の技やうつくしい瀬戸川沿いを堪能したあとは、夜のうちに「飛騨高山」入ります。なぜなら、飛騨高山の古い町並と共に、翌朝の朝市を楽しむため! 翌日も元気に町歩きできるよう、腹ごしらえはもちろん「飛騨牛」。今回は焼肉でいただきます。

飛騨牛

焼き始めたら食べることに夢中になりまして……生肉写真だけで失礼します。
飛騨牛は、和牛のオリンピックとも呼ばれる全国和牛能力共進会で、日本一になったこともある岐阜県のブランド牛。やわらかくてとてもジューシー! ぜひ飛騨のお酒とご一緒に。

■JAグループ焼肉ハウス「味蔵天国」
http://www.ajikura.jp

■高山の「伝統的建造物群保存地区」

飛騨牛を贅沢にモリモリ食べて、元気いっぱいの2日目。
早起きをして『宮川朝市』を目指します。朝市に向かう途中には、宮川にかかる印象的な真っ赤な中橋や、明治28年に建てられたという旧高山町役場(今は市政記念館)の立派な建物がお出迎えしてくれました。

※重要伝統的建造物群保存地区とは
※重要伝統的建造物群保存地区一覧

このあたりは高山城の城下町の、いわば中心地。商人の町として栄え、今でもたくさんのお店が並んでいます。普段はとても多くの人で賑わっているのですが、今回は朝訪れたので、まだ人も少なくゆっくりと町並みを見て歩くことができました。

飛騨高山は外国人観光客が多いことでも有名。この通りにも、日中のお店が開いている時間はたくさんの外国の方が集まり、交流を楽しむことができます。

混んでいるのはちょっと……という方は、今回のように朝動くのが気持ちがよくておすすめです。開いているお店は少ないのですが、日本酒の試飲を楽しめたり、のんびり写真を撮ったりできますよ。

人気の飛騨牛のにぎり寿司! 召し上がりたい方は10時半以降に。(お店は上三之町通りに2軒あります)
原田酒造場の “酒林(杉玉)”

酒造の軒下で見かける丸い玉は「酒林(さかばやし)」、または杉でできているので「杉玉(すぎだま)」と呼ばれます。新酒の時期に新しい酒林に架け替えるのだそうです。年に一度、新酒が出来上がる11月~12月頃に訪れたら、架け替えが見られるかもしれませんね。

舩坂酒造店「蔵BAR ふね」
舩坂酒造店の “小粋な立ち飲み木樽テーブル”。上には枡に入った塩が。

向かい合わせにある原田酒造場さんと舩坂酒造店さん、どちらも試飲コーナーがあり朝から飲めてしまいます。これはうれしい! もちろん気に入ったものはお土産に購入できます。

■原田酒造場
http://www.sansya.co.jp/

■舩坂酒造店
http://www.funasaka-shuzo.co.jp/

ちなみに2018年1月19日~3月3日まで、冬の飛騨高山の恒例イベント「酒蔵めぐり」が行われます。6つの酒造が1週間交代で、普段わたしたちが見られない酒蔵を公開してくれ、試飲も楽しめますよ。

◆飛騨高山 酒蔵めぐり
http://www.hidatakayama.or.jp/blog/9986

さて、古い町並に後ろ髪を引かれつつも、「宮川朝市」へ。

■江戸時代中期から続く『宮川朝市』

飛騨高山には、江戸時代中期からあるといわれる「宮川朝市」と「陣屋前朝市」の2つの朝市があります。どちらも朝7時から昼12時まで(時期により変動有)。10時頃にはとても混雑してくるので、ここも早めの時間がおすすめ。今回は、宮川に沿ってお店がずらりと並ぶ「宮川朝市」を楽しみます。

さて、どんなものがあるか、ざっと見てみましょう!

地元の野菜やお米はもちろん。
地元の方にはおなじみの「白い命」! 朝市牛乳。
飛騨牛入りワンちゃん用のペットフードとは、なんという贅沢!
郷土料理の「朴葉(ほおば)みそ」。朴葉だけでも売っていました。この葉の上に味噌や椎茸などをのせて焼き、焼いた味噌などをごはんにのせていただきます。
初めて見るお野菜「山くらげ」。シャキシャキした食感です。
こちらも初めて見た果物「ポポ」。
その場で食べられるたこ焼きも。
この時間はまだ少なかったけれど、外国の方もちらほら。こんなカフェがあれば落ち着きますよね。

外国の方がジェスチャーや単語を駆使してお店の方とやりとりされていて、とても楽しそうでした。

◆宮川朝市
http://kankou.city.takayama.lg.jp/2000575/2000576/2000870.html

宮川朝市を抜けてまっすぐ川沿いを歩くと、また歴史を感じられる場所に出会えます。見えてきたのは巨大な鳥居。

この鳥居の正面には、「櫻山八幡宮」がどーんと構えています。
櫻山八幡宮参道
広々としてとても気持ちのいい境内。今回訪れた神社仏閣、どこも素敵なんですが、個人的にここが一番気持ちよかったです。
飛騨の神社の建物は、装飾がスッキリした印象。飛騨古川で見た、大工さんごとに違う「雲」を彷彿とさせますね。

◆櫻山八幡宮
http://www.hidahachimangu.jp/index.html

そして、富山の八尾や岐阜の飛騨古川同様、飛騨高山にも1600年代から続く歴史あるお祭りがありました。「高山祭」です。

特徴的なのは、春の「山王祭」と秋の「八幡祭」両方あわせて高山祭というところ。秋の高山祭はここ櫻山八幡宮の例祭で、毎年10月9日・10日に開催されます。

櫻山八幡宮の参道脇には、高山祭で使われる屋台(山車)のうち一部が展示されています。他の町でもそうでしたが、非常に美しい曳山・屋台をお祭り以外の時にも見られるようにしてくれているんですね。

◆高山祭屋台会館
http://www.hidahachimangu.jp/yataikaikan/welcome.html

飛騨の風情ある町並みをたっぷり楽しんだら、旅もいよいよ折り返し。最後は再び富山県へ!
目指すは車で1時間強の南砺市(なんとし)城端(じょうはな)。なかなかの難読地名ですね。

<参考記事:難読地名 地元民が選ぶ地元民でも読めない?地元の地名(北信越地方編)>

高山から城端に向かう途中、車の中から思わずため息がでる山の景色が見られました。3,000m級の山が連なります。

井波彫刻・絹織物を生み出す 富山県:城端

城端は越中の小京都とも呼ばれ、ここにも古い町並みが残っています。まず訪れたのは、町の中心でもあるお寺『城端別院 善徳寺』。道を歩いていて角を曲がり、善徳寺が目に入った瞬間に思わず「オーーー!」という声が出ました。こちらの写真で伝わりますでしょうか? 入口である山門の存在感、重厚感、威風堂々とした姿。圧巻です。

城端別院 善徳寺の山門

門の下に来ると、複雑で美しい浮き上がったような彫刻が頭上を埋め尽くします。国の伝統的工芸品に指定されている富山県の「井波彫刻」がびっしりと施されています。

龍が入口の上でしっかりお寺を守っています。
反対側に回ると……

龍の後ろ姿! 両側からの「透かし深彫り」です。

本堂。1759年に再建されて以来ずっと残っているもの。

木を使った匠の技。飛騨も素晴らしかったですし、富山も素晴らしいです。

◆城端別院 善徳寺
http://www.zentokuji.jp/

お昼にお邪魔した老舗料亭「料理 かねしま」さんのお座敷にも、素晴らしい井波彫刻の欄間がありました。

富山では、神社仏閣やお店だけでなく、一般家庭でもこの井波彫刻を施した欄間を持つお家が多くあります。伝統工芸が身近にある生活、モノづくり憧れ系女子としては、うらやましい限りです。

かねしまさんでは、ひつまぶしをいただきました。

■料理 かねしま
富山県南砺市城端473-1

井波彫刻に見とれた後は、城端曳山会館で城端曳山祭について学びました。城端のお祭りは、とても雅なのにハイテク?!詳しくはまとめて別記事でご紹介したいと思います。

明治時代に建てられた土蔵が4つ並ぶ裏通り。映画などのロケ地として使われることも多い場所です。城端曳山祭の時には、ここも曳山が通ります。
大通りからふと覗くと、こんなレトロな建物も。昔は銭湯だったところで今は小物を売るお店になっています。

■お蚕さまの命をいかす 松井機業

1日目で訪れた八尾と同じく、城端も絹に携わる産業で栄えた町の1つ。

八尾は絹の生糸を生み出す蚕の卵の育成が中心でしたが、城端では富山県内や岐阜県から持ち込まれた生糸で布を織り上げる産業が盛んでした。絹で栄えたといっても、役割がそれぞれ違うのですね。

そんな絹織物の現場を垣間見るため、明治10年創業「松井機業」さんの工場を見学させていただくことに。この工場がまたとても歴史を感じる建物!

うつくしい糸

松井機業さんの特徴は、「しけ絹」と呼ばれる絹。糸の途中に節がいくつもあるのがわかりますか?

通常は1頭の蚕が1つの繭を作りますが、稀に2頭の蚕が1つの繭(玉繭)を作ることがあり、この繭から取り出す節のある糸を緯糸に使って織り上げたのが「しけ絹」。城端で450年程前から育まれてきましたが、伝統製法を続けているのは今では松井機業さんだけなのだそうです。こんなにも長い歴史がある「しけ絹」の存在、今回初めて知りました。

節のある玉糸で織りあげた布は、なんともいえない優しい風合い。しけ絹を通すと光も柔らかくなります。

建物内のショーケースでは、しけ絹を使ったブランド『JYOHANAS(ヨハナス)』(=城端(じょうはな)の絹 JOHANA SILK)の商品も見ることが出来ます。

また新しい取組みとして、自前の桑畑で蚕を育て始めたとのこと。

外にある桑の葉の間に、一生懸命に糸を吐き出す蚕がいました。今はまだとれる生糸は少ないですが、今後どんな絹が生まれるのか、とても楽しみ。

絹はお蚕さまの命をいただいているもの、と語る6代目見習いの松井紀子さん。しけ絹は2匹が生み出す愛の結晶、そんなふうにもおっしゃってます。

歴史を感じる風情ある町で見つけた新たなチャレンジ。期待とともに注目していきたいと思います。

■松井機業
http://www.shikesilk.com/
※工場見学もショールームも事前予約が必要(1人からでもOK)

富山と岐阜の風情ある街をめぐる旅。飛騨高山&城端編はここでおわりです。この日も、日本の良さを感じられるたくさんの風情ある風景と地元グルメを楽しむことができて、和やかな気持ちになりました。城端の後、最後に訪れた富山県の高岡市については3話目に。お楽しみに!

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