新日鉄住金が日鉄住金鋼鉄和歌山を吸収 和歌山の上工程、一体運営

 新日鉄住金は27日、和歌山製鉄所(和歌山市)の上工程(製銑・製鋼)部門を担ってきた子会社の日鉄住金鋼鉄和歌山を2018年4月1日付で吸収合併すると発表した。これまで別会社化してきた同所の上工程部門を本体に移管し、製鉄所としての一体運営強化や経営の効率化につなげる。

 日鉄住金鋼鉄和歌山は、旧住友金属工業と台湾・中国鋼鉄(CSC)、住友商事が03年に持ち株会社「東アジア連合鋼鉄」の子会社として設立。当時余力のあった和歌山製鉄所の上工程設備を安定稼働させることを目的に、和歌山で生産した半製品をCSCに供給するスキームを構築した。

 今回の合併により日鉄住金鋼鉄和歌山は解散するが、東アジア連合鋼鉄はスラブ取引会社として存続し、CSCや神戸製鋼所向けにスラブ供給事業を継続する。

 CSC向けのスラブ供給量は当初は年180万トンだったが、現在は年120万トン程度とみられる。

 東アジア連合鋼鉄は現在、新日鉄住金が約75%、CSCが約19%出資し、神戸製鋼なども出資している。

 日鉄住金鋼鉄和歌山は17年3月末時点で1326億4800万円の債務超過にある。同社は合併に先立ち新日鉄住金を割当先とする約1300億円の第三者割当増資を行い、債務超過を解消する。

© 株式会社鉄鋼新聞社