関東地区の鉄筋棒鋼メーカー、デリバリー手続き改善要請へ トラック確保難と輸送費高騰、「明細の提出期限厳守を」

 輸送コストの急騰によるさらなる採算悪化を食い止めるため、関東地区の小棒メーカーでは鉄筋棒鋼のデリバリー手続き改善に向けた取り組みが急務となっている。ドライバー不足に伴いトラックの確保難や輸送費の上昇が顕在化。これまで関東のメーカー各社が受け入れてきた過剰な短納期対応が急激なコスト高要因に浮上している。一部メーカーでは年明けにも納品明細の提出期限の厳守など、手続きの迅速化を加工業者や流通に呼び掛け、理解を求めていく構えだ。

 関東地区では主に加工業者が納品明細をメーカーに提出するなど鉄筋棒鋼のデリバリー手続きに独自の慣習があるとされる。通常、納品明細をメーカーに提出する期限は最低でも出荷の3日前だが、関東ではメーカー間の競争もあって、極端な例では前日の明細提出でも対応するなど、過剰なデリバリーサービスが常態化している。

 トラックの手配が困難となる中、急な短納期要請に応じれば、さらなる輸送費の高騰を招き、メーカーの採算悪化を加速する要因となる。また、すでに一部現場では鉄筋のデリバリー遅延により工事の進ちょくに影響したケースも生じているとされる。

 デリバリー対応の良さが関東地区鉄筋メーカーの強みとされてきたが、コスト高と納期対応の両面から過剰サービスの是正に向けた動きが広がりそうだ。

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