日本一奪還、サファテ大記録、松坂退団…ホークスの2017年10大ニュース

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日本一に輝いたソフトバンクの選手たちと工藤監督【写真:藤浦一都】

サファテは岩瀬、藤川を超え、前人未到の54セーブまで記録を伸ばす

 2年ぶり8度目の日本一に輝き、最高の形で2017年シーズンを終えたソフトバンク。夏場までは楽天との熾烈な首位争いを繰り広げたが、楽天の失速もあって終盤は一気に差を広げた。終わってみれば、福岡移転後最多となるシーズン94勝。2位の西武に13.5ゲームの大差をつけるぶっちぎり優勝を飾ると、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズと、その強さを十二分に見せつけて日本一を奪還した。そんなソフトバンクの2017年を10個のニュースと共に振り返ってみたい。

○2年ぶり8度目の日本一

 今季はやはり、日本一奪還が最大のニュースだろう。楽天とのCSファイナルステージでは連敗スタートを切りながら、第3戦で城所龍磨を突然先発起用し、負傷離脱していた柳田悠岐を第5戦で電撃復帰させるなど、工藤公康監督の策も的中して突破。日本シリーズでは3連勝後に2連敗し、第6戦までもつれ込んだが、最後は延長11回に川島慶三の適時打でサヨナラ勝利という劇的な形で日本一を決めた。

○サファテ日本記録更新

 日本一奪還に欠かせなかったのが、守護神サファテの存在だろう。5月末に夫人の看病のために10日間チームを離れたが、来日後に自己最多66試合に登板。9月5日のオリックス戦でシーズン47セーブ目を挙げ、2005年の岩瀬仁紀(中日)、2007年の藤川球児(阪神)を超える日本記録を樹立。その後も前人未到の50セーブを突破し、最終的には54セーブまで記録を伸ばした。日本一を決めた日本シリーズ第6戦では9回から登板。まさかの3イニングのロングリリーフで勝利のリレーをつないだ。最多セーブ王はもちろん、パ・リーグMVP、正力松太郎賞など数々の賞に輝いた。

○NPBシーズン最少記録タイの38失策

 ソフトバンクが頂点に立った1つの要因が、球史に残る鉄壁の守備陣だった。今季143試合で犯したチーム失策数は、わずか38。工藤監督や秋山幸二前監督、西武・辻発彦監督らが在籍し、当時黄金期にあった1991年の西武が記録したシーズン最少失策記録に並んだ。当時は今より13試合少ない130試合だったことを考えれば、この記録は価値はさらに高まる。チーム守備率.993はプロ野球新記録。派手さはないが、ソフトバンクの強さを示す驚異の数字と言えるだろう。

3年間在籍した松坂が退団、来年1月に中日のテストを受ける

○川崎宗則の6年ぶり復帰

 シーズン開幕直後に飛び込んできた衝撃的なニュース。それが川崎宗則のソフトバンク復帰だった。米カブスからマイナー契約を解除されてFAとなり、これまでもラブコールを送り続けていた古巣へ6年ぶりに復帰した。エイプリルフールの4月1日に入団会見を行い、ファームでの調整を経て1軍昇格を果たすとチームも上り調子に。両足アキレス腱の痛みで夏場以降は2軍生活を送ったが、その明るいキャラクターは貴重な人材となっていた。

○松坂大輔、1軍登板わずか1試合で退団

 2014年オフに日本球界復帰を果たした“平成の怪物”だったが、1軍登板は2016年シーズン最終戦・楽天戦での1イニングのみに終わり、3年間在籍したソフトバンクを去ることになった。今季はオープン戦の広島戦で7回無安打無失点の好投を見せて復活を期待させたが、シーズンに入って右肩の不調が続き、実戦登板もままならなかった。球団からは支配下契約を解除し、一旦コーチ登録してリハビリを続けるプランを提示されたが、松坂自身が退団を選択。他球団での現役続行を目指す右腕は、来年1月に中日の入団テストを受ける。

○交流戦3年連続勝率1位

 6月18日の広島戦に7-4で勝利し、交流戦の勝敗は12勝6敗に。広島と同率で並んだが、規定により直接対決で2勝1敗と勝ち越したため、勝率1位に決定した。ソフトバンクの勝率1位は2015年から3年連続7度目。打率.338、7本塁打23打点をマークした柳田悠岐が2年ぶり2度目の交流戦MVPに輝いた。

○若手の台頭

 今季は新戦力の台頭もあった。野手では甲斐拓也捕手、上林誠知外野手の2人。初の開幕1軍を掴んだ育成出身の甲斐は、東浜や千賀ら若い投手とバッテリーを組んで103試合に出場し、その強肩が大きな注目を集めた。上林はシーズン前半に打ちまくり、外野の定位置をほぼ手中にした。シーズン後半に調子を落としたが、日本一に大きく貢献した1人だった。投手では石川柊太投手。甲斐と同じ育成出身の右腕は、先発と中継ぎの両方で働き、8勝を挙げた。

鳥越、清水コーチがロッテ、佐藤コーチが楽天、藤井コーチがオリックスへ

○コーチ陣5人が退団

 日本一に輝きながら、実に5人ものコーチングスタッフがチームを離れる異例の事態となった。1軍では、鳥越裕介内野守備走塁コーチ、清水将海バッテリーコーチが井口資仁新監督率いるロッテへ移籍。佐藤義則投手コーチは、今季途中まで首位を争った楽天へ移ることになった。藤井康雄2軍打撃コーチはオリックスの打撃コーチに就任が決定。佐々木誠3軍監督は鹿児島城西高の監督となる。チームの情報を握るコーチの流出が、来シーズンに影響を及ぼすだろうか。

○故障者の続出

 結果的に日本一になったものの、今季は怪我に悩まされた。序盤には和田毅が左肘痛(のちに手術)、武田翔太が右肩炎症、千賀滉大が左背部の張りで、先発投手が立て続けに離脱。内川聖一は頚椎捻挫、その後左親指骨折で戦線を離れ、デスパイネも太もも裏の肉離れがあった。高谷裕亮、五十嵐亮太なども負傷離脱し、優勝決定後には柳田悠岐が右脇腹肉離れで登録を抹消された。並みのチームならば低迷してもおかしくなかったが、そこで踏みとどまったのは厚い選手層の賜物だった。

○超暖冬の契約更改

 日本一に輝いたことで、オフの契約更改では景気のいい数字が次々に飛び出している。内川、柳田が年俸4億円を超え、千賀、岩嵜翔、森唯斗、準レギュラーの明石健志と、一気に4人も1億円の大台を突破した。1億円プレーヤーが16人、4億円超が8人という、桁違いの“超暖冬更改”となった。

(Full-Count編集部)