井口引退&監督就任、歴史的大敗、謎の魚…ロッテ、2017年の10大ニュース

ロッテの監督に就任した井口資仁【写真:編集部】

開幕から低迷したロッテ、6年ぶりの最下位に沈む

 開幕から低迷し、最下位に終わったロッテ。歴史的な貧打に喘ぎ、なかなか浮上のキッカケを掴めなかった。球団史上ワーストの87敗を喫して、伊東勤監督が辞任。今季限りで現役を引退した井口資仁内野手が新監督に就任し、浮上を目指す来季の舵取りを任されることになった。ロッテファンにとっては早く忘れたいかもしれない2017年を10個のニュースで振り返ってみよう。

○井口資仁現役引退、監督就任

 2009年にフィリーズからロッテに入団した井口。6月20日に今季限りで21年間の選手生活にピリオドを打つことを発表した。2004年まで在籍したダイエーの本拠地・福岡でのラストゲームでは、かつてチームメートだった和田から安打を放ち、和田の通算1500奪三振目となる三振を喫した。引退試合の9月24日・日本ハム戦では2点ビハインドの9回に日米通算295本目の本塁打となる起死回生の同点2ラン。チームは延長でサヨナラ勝ちし、劇的過ぎる形で引退試合を飾った。シーズン終了後に新監督就任のビッグニュースが発表された。

○チーム打率1割台

 今季は開幕から苦難のシーズンを送ることになった。オープン戦は首位だったが、開幕後にチーム状態は一変した。歴史的な貧打に喘ぎ、チーム打率はなんと1割台に低迷。しかも、それが45試合も続き、今季46試合目となった5月26日のオリックス戦でようやくチーム打率が2割台に乗った。その間に8連敗を喫するなど、上位と大きく差をつけられてしまった。

○外国人選手の不作

 昨季まで主砲だったデスパイネがソフトバンクへと移籍。代役として獲得したのがダフィーとパラデスの内野手2人だった。パラデスはオープン戦打率.304、ダフィーは2本塁打15打点で好成績を残したが、共に開幕から大不振に陥った。ダフィーは守備面でもミスを多発し、ペーニャが加入した6月中旬以降はファーム暮らし。パラデスは6月に3打席連続本塁打を放つなどしたが、シーズンを通じては期待に応えられず。両者揃って今季で退団し、パラデスは来季から韓国の斗山ベアーズに加わる。

伊東監督は自身初の最下位に沈んで辞任

○大砲リクエストも補強されたのは…

 ダフィー、パラデスの2人が打撃不振だったため、緊急補強に着手。現場サイドは長打力不足を補うために、1発のある大砲候補を希望したが、まずフロントが獲得にこぎ着けたのは俊足が売りのキューバ人、ロエル・サントス外野手だった。その後、ソフトバンクなどでプレーしたウィリー・モー・ペーニャ内野手も補強したが、現場の要求に合わないサントス獲得は疑問の声を呼んだ。

○6年ぶり最下位

 開幕から低迷が続き、浮上のキッカケを掴めないままにシーズンは終了。5月16日で自力優勝の可能性が消滅、10勝目を挙げたのは今季40試合目の5月19日楽天戦だった。終わってみれば、54勝87敗2分の借金33、首位のソフトバンクと39ゲーム差、クライマックスシリーズ出場圏内の3位の楽天とも23.5ゲーム差をつけられる屈辱の1年に。ロッテの最下位は2011年以来6年ぶりだった。

○伊東勤監督辞任

 成績不振の責任を取り、2013年からチームを率いた伊東勤監督が辞任。8月13日に辞任を正式発表したが、最終戦まで指揮を執った。伊東監督が最下位を経験するのは、選手時代も通じてプロ野球生活31年目で初めてだった。10月30日からは侍ジャパン強化本部副本部長に就任した。

○涌井秀章、海外FA権を行使してメジャー挑戦

 2013年オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使してロッテに入団したエース涌井秀章投手が、2度目のFA権(海外FA権)を行使してメジャー移籍を目指すことを表明した。最多勝に3度輝き、4年連続で規定投球回に達した。現時点で移籍先は決まっておらず、去就は長期化の様相を呈している。

新マスコット「謎の魚」が海外でも話題に

○謎の魚

 今季のロッテで世界を賑わしたのが、新キャラクター「謎の魚」だった。5月26日のオリックス戦で初めて登場すると、その後、第2形態、第3形態と進化する奇妙な生態が話題を呼んだ。あまりにも衝撃的過ぎる姿で、米MLB公式サイトや英BBC放送までもが存在に注目。グッズは即日完売するなど大人気を呼んだ。

○田中英祐が戦力外

 2014年ドラフト2位で京都大学から入団した田中英祐投手。京大出身初のプロ野球選手として大きな話題を呼んだ右腕は、プロ1年目に1軍で2試合に投げたが、その後フォームを崩すなど不振に陥った。今季も1軍での登板はなく、オフに戦力外通告された後、入社試験を経て、プロ入り前に内定を受けていた三井物産への入社が決まった。

○安田尚憲、ドラフト1位

 苦しく暗い1年となった今季を、明るい話題で締めくくった。今季ドラフトの目玉の1人だった履正社の安田尚憲内野手の入団が決まった。早実の清宮幸太郎を1巡目指名したが、7球団競合の抽選を外し、外れ1位で安田を指名。阪神、ソフトバンクと競合したが、抽選で当たりクジを引き当てた。

(Full-Count編集部)

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