37年ぶり連覇、3年目右腕大ブレイク、通訳人気上昇…広島2017年10大ニュース

広島・丸佳浩【写真:荒川祐史】

37年ぶりリーグ連覇の広島、日本S進出は逃す

 今季、37年ぶりのリーグ連覇を達成した広島。人気実力ともに2017年のプロ野球界の主役だったのは間違いない。その広島の今季の戦いぶりを、10個のニュースとともに振り返ってみたい。

○37年ぶりのリーグ連覇

 25年ぶりの優勝を飾った2016年に続いて圧倒的な力を見せつけた。開幕2戦目からの10連勝など投打がかみあい、最終的には2位の阪神に10ゲーム差をつける独走V。1979、80年以来37年ぶりのリーグ連覇を達成した。11月25日に行われた優勝パレードには2年連続で30万人を超えるカープファンが駆けつけた。

○CSでまさかの4連敗。日本シリーズに進めず

 クライマックスシリーズファイナルステージの相手はDeNA。シーズンでは同一リーグでは唯一負け越していた相手に対して、2戦目からまさかの4連敗。DeNAの勢いの前にのみこまれ、2年連続での日本シリーズ進出はならなかった。

○丸がMVP

 セ・リーグの最優秀選手賞(MVP)には丸佳浩が選ばれた。不動の3番として全143試合に出場し、打率.308、23本塁打、92打点をマーク。最多安打、ゴールデングラブ賞、ベストナインを獲得。オフの契約更改では7000万円増の推定2億1000万円でサインし、チーム日本人最高額に躍り出た。

3年目右腕が大ブレイク、ドラフトで地元有望株を獲得

○薮田が大ブレイク

 3年目右腕・薮田和樹が大ブレイク。交流戦で中継ぎから先発に転向しリーグ2位の15勝を挙げた。自身初のタイトルとなる最高勝率(.833)に輝くなど、黒田博樹が引退した投手陣の救世主となった。

○鈴木誠也が4番に定着

 開幕直後から4番に座った23歳の若き主砲。打率.300、26本塁打、90打点と重圧をはね返し、「神ってる」と呼ばれた2016年に続く好成績を残した。8月23日のDeNA戦で右足首を骨折し、終盤戦を棒に振ったが、来季へ向けて順調に回復。2018年シーズンは入団以来の目標に掲げるトリプルスリーを目指す。

○七夕の夜に奇跡の大逆転勝ち

 7月7日、神宮でのヤクルト戦。3-8と5点を追う9回、バティスタ、菊池の一発に松山の適時打で2点差とすると、2死一、三塁で代打・新井がバックスクリーンへ逆転3ラン。ヤクルトの守護神・小川から一挙6点を奪った。今季のベストゲームと言われる奇跡の逆転劇で、優勝へさらに加速した。

○地元のスター・中村奨成を競合の末に獲得

 ドラフトでは地元・広陵高の中村奨成を指名。中日との競合となったが、緒方監督が当たりクジを引き当てた。夏の甲子園では大会記録の6本塁打をマークした高校球界NO1捕手。将来の正捕手候補として大きな期待が集まっている。

貢献度大の2コーチが退団、クレート通訳の人気上昇

○梵英心が退団

 37歳のベテラン梵英心が出場機会を求めて自由契約となった。俊足巧打の遊撃手として入団1年目の07年に新人王。10年には盗塁王、ゴールデングラブ賞を獲得するなど低迷期を支えたベテランンがチームを去ることになった。

○石井、河田両コーチが退団

 シーズン終了後に石井琢朗打撃コーチ、河田雄祐外野守備・走塁コーチの退団が決まった。石井コーチは巧みな打撃理論と練習量でリーグ屈指の打撃陣を作り上げた立役者。河田コーチは走塁のスペシャリストとして、伝統の機動力野球を復活させた。三塁コーチとしても抜群の判断力でチームの勝利に貢献した。両者とも来季はヤクルトでコーチを務める。カープにとっては手強い存在になりそうだ。

○クレート通訳がプチブレイク

 シーズン中に育成選手から昇格し大活躍したバティスタ。その通訳としてヒーローインタビューで注目を集めたのがクレート通訳だ。カタコトの日本語が独特のワードセンスを誇り、一躍人気者に。元々はバティスタと同じドミニカ共和国のカープアカデミー出身。ブルペン捕手を務めながら、日本語を猛勉強した努力家だ。

(Full-Count編集部)

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