南阿蘇鉄道、JR豊肥線乗り入れを検討

©株式会社熊本日日新聞社

阿蘇・根子岳を背に走る南阿蘇鉄道=2017年12月、高森町の高森駅付近

 熊本地震で被災し、部分運行が続く第三セクター・南阿蘇鉄道(高森町)が、全線復旧後にJR豊肥線に乗り入れ、肥後大津駅(大津町)までの直通運転を検討していることが31日、分かった。地震からの創造的復興と位置付け、通学・通勤に使う沿線住民の利便性や南阿蘇地域への観光アクセスの向上を狙う。

 「熊本都市圏アクセス30分台構想」と名付けた案で、高森駅から立野駅(南阿蘇村)を経由して肥後大津駅までの25・6キロ区間に朝・昼・夕の3往復、快速列車を走らせる。立野駅での乗り換えで65分かかっていた高森-肥後大津を30分台でつなぐ。

 南阿蘇鉄道と豊肥線は、もともと同じ旧国鉄の路線でレール幅も同じ。立野駅に二つの路線をつなぐレールと、レールを切り替えるポイント、信号機などを整備すれば、直通運転が可能になる。

 こうした設備の新設に約5億円が必要と見積もっており、国が設備投資の最大2分の1を補助する「鉄道事業再構築事業」の適用を念頭に置いている。  肥後大津駅から先の豊肥線は、熊本駅(熊本市)まで電化されており、JRの運行本数も多い。

 南阿蘇鉄道の全線復旧は2022年度が見込まれており、南阿蘇鉄道の草村大成社長(高森町長)は「乗り入れは南阿蘇地域への移住・定住を促進し、地方創生にもつながる。全線復旧と同時にぜひスタートしたい」と話した。

 一方、乗り入れにはJR九州の協力も不可欠となる。同社は「今後の検討課題と認識している」とした。

 南阿蘇鉄道は、最大70億円とされる全線復旧費の97・5%を国が実質負担する支援策が昨年末に決まった。豊肥線は、地震で肥後大津─阿蘇(阿蘇市)が不通だが、JR九州は肥後大津─立野を先行復旧させ、19年度前半の運行再開を目指している。(太路秀紀、堀江利雅)

あなたにおすすめ