山形大医学部、「ゲノム病院」構築へ 遺伝子解析、個々に最適医療

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 山形大医学部は、同学部付属病院(山形市)の全診療科を挙げ、ゲノム(全遺伝情報)解析に基づくオーダーメード型治療に乗り出す。「ゲノム病院」を標ぼうし、遺伝子解析に基づく治療計画で、それぞれの患者に最適な治療や投薬などの医療を提供していく。大学病院では先駆的な取り組みで、患者の遺伝子のサンプル集積を1月中旬にも始動させる。

 従来の国内医療では、病気を診断し、その病気に応じた標準的な手術や投薬などを施してきた。しかし、同じ疾患に対する治療でも患者の遺伝子の相違で、効果や副作用が異なることが指摘されるようになった。

 同学部によると、今回の取り組みでは、治療前に患者の血液や遺伝子を検査した上で、既に確定している遺伝子情報に照らし合わせながら、患者個々の遺伝子にとって最適な治療法を導き出していく。国もゲノム医療に力を入れる考えを示しており、分子的治療の観点から治療薬の有効性や副作用の予見に力を入れる医療が、本県でも標準的医療として提供される。

 同病院にある約20の診療科の講座では、既にがんゲノム診療遺伝子の検査リストを作成し、がんや疾患の症候群の遺伝子、治療効果が期待される薬剤などをリストアップしている。今後、独自に遺伝子関連の研究も進め、その成果を診療に反映させて精度を高めていく構想もある。

 最初のステップとして、1月中旬から各診療科の担当医が、電子カルテを基に患者を治療する際、研究対象となるかを判断し、遺伝子のサンプルを集積していく計画だ。リストアップしたがんゲノム診療遺伝子情報を院内に掲示し、患者への情報開示も徹底する。

 同学部は2020年3月に始まる重粒子線がん治療とともにゲノム医療を中核医療に位置付ける。嘉山孝正参与は「全国の大学病院に先駆け、全診療科を挙げたゲノム医療に取り組む。システマチックな体制を整え、患者のためになる先進治療を行っていく」と強調している。

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