障害者らの職業訓練に取り組む就労継続支援A型事業所を運営する長崎県佐世保市の企業「フュージョン」は1月、障害者専門の結婚相談所「チャレンジド・マリッジ長崎」(中村耕司代表)を開設する。一般社団法人が運営する全国組織に加盟し、県境を越えて出会いの場を提供。雇用だけでなく私生活の充実も手助けし、自立を促す。
厚生労働省の統計によると、配偶者がいる障害者の割合は身体が6割、知的は3割。精神はわずか数%という。統計は結婚後に障害が認定された人も含んでおり、障害者が結婚をするハードルは高いのが現状だ。
一般社団法人「チャレンジド・マリッジ」(名古屋市)は、昨年10月に設立した。入会すればインターネットで情報を共有し全国の障害者とつながる。今のところ入会する障害者は千人ほどになる見通し。会員による婚活パーティーも企画。意中の相手との「お見合い」には仲人役の担当者が同行する。
入会の条件は20歳以上。男性は就労継続支援A型事業所を含む定職に就き、一定の収入を得ていることが求められる。3月までは3万円の入会金を無料にして、より多くの会員を集める方針。中村代表は「結婚できる障害者はまだ少ない。お金を稼ぐだけでなく、人生の伴侶を得て家庭を築こうとする気持ちが本当の意味の自立につながる。障害者も婚活を楽しめるようになればうれしい」と話している。