8強進出

 初詣の願い事は「昨年同様の快進撃」か、それとも、ぐっと控え目かつ現実的に「残留」か-。元日恒例のサッカー天皇杯決勝戦、1年後にこの舞台を駆ける“青とオレンジ”を重ね合わせたファンもきっと少なくはないはず▲昨年、皆の初夢を「正夢」にしてくれたサッカーのV・ファーレン長崎。チームもサポーターも2月のリーグ戦開幕が待ち遠しい「J1元年」のお正月▲そんな長崎のサッカー熱を一段と高くしそうな戦いぶりだ。熱戦が続く全国高校サッカー選手権、本県代表の長崎総合科学大付属高がベスト8に進出した。一番の持ち味はV長崎と同じく、果敢にボールと相手を追うハードワーク▲昨日の3回戦、対戦相手は前年の優勝校。厳しいゲームになったが、時折ゴツンと音がしそうな激しいディフェンスとゴールキーパーの再三の好セーブで多彩な攻撃をしのぎ、前半に挙げた1点を守り切った▲「まあ、まぐれですよね」「次も夢中で挑戦するだけ。技術は大したことねえんだから」と試合後の小嶺忠敏監督。文字におこせば何だか身もふたもない言い草のようでも、温かな口調には「走れ走れ」の猛練習を耐え抜いてきた選手への愛情と信頼がにじむ▲頂点まであと三つ。さすがにまだまだ気が早いと自制しつつ、欲張りな初夢が膨らむ。(智)

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