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スポーツ障害と外傷の違いご存知ですか? 練習の強度と時間に注意 沖縄県医師会編「命ぐすい耳ぐすい」(1123)

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 皆さんはスポーツ障害とスポーツ外傷の違いをご存じですか。

 スポーツ障害とは繰り返し行なう運動のやり過ぎで起こる関節や靭帯(じんたい)、筋肉などの痛みです。代表的な障害としては、リトルリーグ肩や野球肘、膝のオスグッド病、ランナー膝、腰や足の骨の疲労骨折などがあります。主な原因として骨や筋肉が未熟な上に、靴など用具や環境が悪いとき、フォームや技術が未熟の場合や、過度な練習の繰り返しがあります。これらの障害は身長の伸びが大きい小学校高学年から中学生に多発します。障害が起こった場合は練習を減らしたり、休ませたりして原因を究明し解決していく事が重要です。痛みを軽視して無理な運動を続けさせ、不適切な治療を受けると、将来骨や関節が変形し関節の動きが悪くなる事もあります。運動量について「日本臨床スポーツ医学会」は次のような提言をしています。練習日数と時間については、小学生では週3日以内、1日2時間以内が望ましく、中高校生では週1日以上の休養日が必要です。

 投球数だと小学生は1日50球以内、週200球以内、中学生では1日70球以内、週350球以内、高校生では1日100球以内、週500球以内が望ましいとされています。膝や足のランニング障害を予防するためには1日の走行距離を中学生では5~10キロメートル(月間200キロメートル)、高校生では15キロメートル(月間400キロメートル)にとどめる事が望ましい。適度な強度の運動と適度な練習時間を守る事が、スポーツ障害の防止には必要です。

 スポーツ外傷は打撲や捻挫、脱臼、骨折などです。診療でよく目にするのは突き指、膝や足関節の捻挫、大腿(だいたい)部やふくらはぎの打撲や肉離れです。応急処置として安静、冷却、圧迫、挙上で損傷部位の障害を最小限にとどめる事が重要です。安静は損傷部位の腫れや血管、神経の損傷を防ぎ、冷却は二次性の低酸素障害による細胞壊死(えし)と腫れを抑える事が目的です。また圧迫は患部の内出血や腫れを防ぎ、挙上は腫れを防ぐ事と腫れの軽減を図る事が目的です。指導者が最も注意すべき事は、子供たちの変化を見逃したり、けがの程度を過小評価して練習を続けさせたりする事です。無理に練習を続けた結果、患部を悪化させる例もあります。早い段階に正確な診断と適切な治療を受ける事で早期復帰が可能になる事を忘れてはいけません。

 子供の適度なスポーツ活動は心身ともにたくましく、明るく、協調性と思いやりのある人間に成長していく上で、大変重要な役割を果たしています。多くの子供たちが自分に適したスポーツを日常生活の中に取り入れてくれる事を願っています。(上里博光・上里整形外科)

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