渡内在住坂田学さん 不屈の精神で再び全国へ 視覚障害の卓球王者 藤沢市

金メダルを手にした坂田さん

 視覚障害者の卓球競技で昨年、自身初の全国大会優勝を果たした、渡内在住の坂田学さん(40)が、1月27日に愛知県で開かれる全国卓球選手権大会に出場する。各地から集う強豪選手たちとの対戦を前に、一層練習に励んでいる。

 「小学生のとき、祖父とした温泉卓球が面白くて、中学1年で卓球部に入部した」という坂田さん。めきめきと実力を伸ばし、中学時代、当時住んでいた八王子市での市大会・団体戦で、3度にわたり優勝に輝いた。

 高校、大学と卓球を続け、就職した企業で卓球部が無いことを知ると、入社後2週間で自ら部を創設。監督兼選手としてメンバーを牽引し、坂田さん率いる実業団チームは2014年、念願だった全日本選手権への初出場を成し遂げた。

「工夫次第で卓球はできる」

 視覚に異変が見つかったのは、練習や仕事に打ち込んでいた24歳のころだった。医師の診察を受けたところ、目に難病を発症していることが判明。以後「少しずつ景色が見えにくくなり、卓球のプレー中も、飛んでくるボールが見えなくなっていった」という。選手として大きな不安に苛まれるも、練習のために通っている川崎市内の「丸子橋卓球スタジオ」の恩師らの指導を受け、「工夫次第で卓球は続けられる」と確信。不屈の精神で昨年の「第17回全国障害者スポーツ大会」に初出場し、得意のナックルサーブを駆使して金メダルに輝いた。

 今月の全国大会では、旧知の仲間とともに団体戦に挑戦。「まずは一勝」と熱意を燃やしている。

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