『人犬共生社会』の懸け橋に①「目指すのは共存共栄」 横浜市都筑区

岩間 智美さん一般社団法人 盲導犬総合支援センター

 港北ニュータウンの一角、茅ケ崎南に盲導犬ユーザーや視覚障害者らへの支援を通じ、よりよい社会づくりを目指す団体、一般社団法人 盲導犬総合支援センターが活動している。同センター職員で広報などを担当する岩間智美さん(27)に活動内容を取材した。

 同法人では16年夏、盲導犬を連れた視覚障害者が地下鉄の駅ホームに転落し、亡くなった事故をきっかけに、昨年1月から「盲導犬応援プロジェクト」をスタート。同法人によると現在、全国の盲導犬ユーザーは951人にのぼるという。

 この事故後、センターには「盲導犬利用者を助けたいがどうすればよいのか」という相談のほか、盲導犬利用者からは「助けて欲しい時があるがためらうことがある」などと、声が上がっていた。

 そこで、岩間さんらが中心となり缶バッジとパンフレットを作成。バッジには同法人公式キャラクター「エルくん」のイラストに「『お手伝いしましょうか』の声かけをお願いします」との文字を添えた。

 視覚障害者がこのバッジを身に付けることで、「声をかけて欲しい」という思いを周囲の人へ伝えることが可能だ。製作から約1年、これまでに700個(17年12月5日時点)のバッジを配布した。

 一方、パンフレットは街中で助けを必要とする盲導犬利用者への声かけの始まりから終わりまでの流れやポイントなどを記した。岩間さんらが盲導犬ユーザー数人に聞き取りをし、どんな時に声をかけてもらえると嬉しいかなどが分かるようになっている。パンフレットはA4を四つ折りにしたサイズ。これまでに4万3371部(17年12月5日時点)を配布した。「『声をかけていいのかな』を『声はかけるものだ』という社会にしたい」と岩間さん。

 同法人の活動がSNSなどを通じ様々な反響を呼び、盲導犬ユーザーだけでなく、盲学校でバッジを配りたいなどと広がりを見せている。岩間さんは「視覚障害者や車椅子の方、シニアの人も全ての人が共存共栄できる社会を目指したい」と語る。問合せは同センター【電話】045・949・0323(平日17時まで)。
 

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