連携、協働で暮らしよいまちへ 古谷義幸市長に新春インタビュー 秦野市

取材に答える古谷市長

 2018年の年頭にあたり、古谷義幸市長にインタビューを行った。昨年を振り返るとともに1月に3期12年の任期満了を迎えることから、これまでに取り組んできた政策や感想、今後への課題などを聞いた。

(聞き手・本紙編集長 須藤一成)

―2017年を振り返り、感想をお聞かせください。 市長/新たな秦野の魅力となる取り組みが実を結んだ年でした。若い夫婦、子育て世帯向け住宅「ミライエ秦野」がオープンし、満室になりました。1階には子育て支援センター「ぽけっと21」も開設しています。秦野が舞台の映画「じんじん〜其のニ〜」が完成し、全国公開を経て地域上映会も各地で開かれています。映画をきっかけに「わがまち秦野」を全国に知ってもらいたいですね。10月には、「名水はだの富士見の湯」が完成しました。お風呂のお湯は、くみ上げた地下水をクリーンセンターの熱を利用して温めています。ぜひ、富士山を眺めながら名水のお湯を楽しんでいただきたいと思います。

 また、市民力が力を発揮した年でもありました。5月に住民参加型スポーツイベント「チャレンジデー」に初挑戦し、7万9千人が参加してくれました。節目の「第70回秦野たばこ祭」は記念イベントのほか、たばこ音頭千人パレードには聴覚障害者団体や民間企業の参加もいただきここ20年で最高の34万人の人出で賑わいました。12月の「はだの丹沢水無川マラソン」では、子供も楽しめるイベントを新たに加え、全国各地からのランナーを市民の皆さんとお迎えできました。

―3期12年が終わろうとしています。政策を振り返っての感想や自己評価を。

 市長/飛行機の操縦に例えれば、まずはゆっくり離陸。十分な高度になるまで慎重に安定飛行を心がけました。市民生活の向上や財政の健全化を重要課題とし、今できることを少しずつ積み重ね、徐々にスピードを上げながら目標に向かって取り組んできました。 政策面ではカルチャーパーク再編整備、水無川緑地の整備、クリーンセンター操業開始、学校校舎の耐震化などを実施。行財政改革にも力を入れ、公共施設再配置や未収金対策の推進などにより、12年間で市債残高を約127億円削減、健全財政を維持するとともに、市役所の土曜(一部日曜)開庁を実施するなど、市民サービスの向上にも努めてきました。

 また、公立保育園のこども園化や、病後児保育室の開設、交流や相談の場となる子育て支援センター「ぽけっと21」を7か所整備するなど、子育て環境を充実させました。地域実践型の防災訓練や県外7自治体との防災協定の締結など、防災への取り組みのほか、防犯カメラ設置や防犯灯LED化なども積極的に進めています。観光施策としては、現在、鶴巻温泉と表丹沢(大山)を結ぶ新たな路線バスルートの開設に向けた実証運行を行っており、さらなるまちの魅力向上を図っています。様々な分野でまちづくりを進めることができました。これも多くの皆様のお力添えあってのことと感謝しております。

―人口の減少や税収の落ち込みなど市政運営には厳しい状況も続いていますが。

 市長/多くの自治体が直面している課題です。本市では、新東名高速道路の開通を控えるとともに、秦野駅北口や鶴巻温泉駅南口整備も進むなど、交通の利便性と住環境の向上が進み、まちが飛躍する大きなチャンスを迎えています。この機会を逃すことなく、まちの活性化につなげます。いまできることを先送りせず、引き続き公共施設の再配置や公共交通の維持・拡充等に取り組みながら秦野の魅力を生かしたまちづくりを進めていきたいと思います。

―新年にあたり、市民へのメッセージを。

 市長/本市の都市像「みどり豊かな暮らしよい都市(まち)」の実現に向けて、市民の皆様と「連携・協働」しながら取り組んでまいります。

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