女子硬式野球 金満梨々那さん(18歳) 攻守で日本支える選手に 横須賀市

在学中の新潟県の開志学園高校のユニフォームを着て

 昨年9月に行われたアジアカップで、18歳以下の日本代表に選ばれた。「今までに感じたことのないプレッシャーだった」。代表では見事全勝優勝し、喜びは大きいが「あまり打率がよくなかった」と、自身の持ち味である打撃力を発揮しきれなかったことに悔しさも滲ませる。だが、それ以上に収穫もあった。捕手としての活躍が評価され、大会の「最優秀守備賞」に選出された。打撃面を買われてきたが、守備面でも高い評価を受けたことに「自分の成長を感じた」と喜んだ。

4番キャッチャー

 岩戸小5年の時、兄の影響で始めた。元読売巨人軍投手の宮本和知氏が総監督を務める「葉山巨人軍」に入団し白球を追いかける楽しさを知った。男子にも引けを取らない肩力と長打力は「素材としては同世代で群を抜いていた」と宮本氏が目を見張るほど。高校は、練習設備や環境が整っているという理由から、単身故郷を離れ新潟県の開志学園高校女子硬式野球部に入部。攻守でチームを牽引した。

日本を支える捕手へ

 目標は「日本代表の4番キャッチャー」。しかし、そこまでの道のりは決して容易くないだろう。昨年11月、高校、大学、プロが女子野球日本一をかけて戦う大会「ジャパンカップ」に出場。プロチームに挑んだが結果はコールド負けだった。「差を見せつけられた」。今の自分の実力を改めて思い知った。

 さらなる成長をめざし、高校卒業後は埼玉県にある強豪、平成国際大学に進学予定だ。そこは、一昨年のワールドカップで正捕手を務めた選手が所属するチーム。「自分が捕手として最も成長できる環境」と進学を決めた。来年からは生活環境もガラリと変わるが「不安は全くない。むしろ楽しみな気持ちが大きい」ときっぱり言い放った。

知名度アップへ

 今年開催予定の女子野球ワールドカップの代表選考会に参加し、現在結果を待っている状況だ。「選ばれたら全力でやるだけ」

 日本代表を目指すその先に見据えることがある。ワールドカップ5連覇中で世界ランク首位ということもあり、人気はにわかに高まっているものの、競技人口はまだまだ少ない。「葉山巨人軍でも、私以降女子選手は入っていないみたい。自分の活躍を知って始めてくれる子が増えてくれれば」。そしてゆくゆくは指導者となり、日本女子野球の裾野を広げることが将来の夢だ。

© 株式会社タウンニュース社