左右の2年目大砲コンビ、異色経歴の育成選手も…DeNAの2018年期待の若手

DeNA・佐野恵太【写真:荒川祐史】

1998年以来の日本一狙うDeNA、若手台頭チームの次なる候補は…

 2017年は、19年ぶりの日本シリーズ進出を果たしたDeNA。アレックス・ラミレス監督が就任した2016年は11年ぶりAクラスの3位でクライマックスシリーズ(CS)に進出。ラミレス体制2年目の昨季は前年と同じ3位だったものの、CSを勝ち抜いて日本シリーズへ。着実にチームのレベルアップを感じる2年間となった。

 2018年はセ・リーグ2連覇の広島を王座から引きずり下ろし、1998年以来遠ざかっているリーグ優勝、日本一に挑むシーズンになる。目標を実現する戦力は整いつつあると言えるだろう。

 先発陣では石田健大、今永昇太、濱口遥大と若い左腕トリオがおり、2017年に2桁勝利を挙げた助っ人ウィーランドも残留する。そこに、2017年ドラフト1位で即戦力左腕の立命館大・東克樹を指名。リリーフ陣も守護神の山崎康晃を筆頭に若い選手が多く、さらなる上積みも期待できる。

 野手陣に目を移しても、主力どころは20歳台の選手ばかりで、ここからキャリアのピークに差し掛かってくるところだ。メキシコのウインターリーグで打率4割超の成績を残した乙坂智外野手も楽しみな存在で、より選手層は厚くなるだろう。そこで、ここでは2018年の台頭が期待される若手選手をピックアップしてみたい。

○細川成也外野手
 昨季終盤に脚光を浴びた19歳。明秀学園日立高から2016年ドラフト5位で入団。ルーキーイヤーの昨季は、イースタン・リーグで114試合に出場して打率.201、182三振ながらも、チーム2位の10本塁打をマーク。10月3日の中日戦で初出場初先発し、1打席目にいきなりバックスクリーン直撃の3ランを放ってプロ初本塁打を記録した。CSと日本シリーズでもメンバー入りして安打を放ったが、高卒新人野手がCSと日本シリーズで安打を放ったのはチーム初の快挙。まだまだ荒削りではあるものの、楽しみな打者である。

アジアWLでMVP獲得の佐野、ローテ入り期待の4年目飯塚

○佐野恵太外野手
 細川が右の大砲候補なら、佐野は左の大砲候補だ。広陵高、明治大を経て、細川と同じ2016年ドラフトで9位指名を受けた。キャンプから1軍に同行し、開幕ロースター入り。3月31日の開幕ヤクルト戦で代打としてデビューも果たした。1軍では打率.095と結果を残せなかったが、イースタン・リーグでは77試合出場で、細川を上回る11本塁打を放った。オフに台湾で行われたアジアウインターベースボールリーグでは、19試合で打率.391、5本塁打、18打点の好成績をマークして大会MVPを獲得。2018年の定位置獲りに期待が集まる打者だ。

○飯塚悟史投手
 2014年ドラフト7位で日本文理高から入団した4年目右腕。188センチの長身から投げ下ろす140キロ台中盤の真っ直ぐと、大きく落ちるフォークが武器だ。昨季6月19日のオリックス戦で1軍初登板初先発すると、8月30日の中日戦で初勝利をマーク。2017年は9試合に投げて1勝3敗1ホールド、防御率4.29だった。2018年はローテーション入りが期待される若手投手の1人だ。

【番外編】
○笠井崇正投手
 2016年育成ドラフト1位で入団した右腕。旭川西高から早稲田大学へ進み、硬式野球部に入部したがすぐに退部。硬式野球サークルで野球を続けながら、独立リーグのトライアウトを受験。2016年には大学在学中ながらBCリーグ信濃に入団し、DeNAから育成ドラフト指名を受けた。1年目はイースタン・リーグ25試合で3勝3敗2セーブ、防御率3.72で、オフには台湾でのアジアウインターベースボールリーグに参加。10試合に投げて1点も与えず防御率0.00。0勝0敗2セーブ3ホールドの好成績を挙げた。まずは支配下契約が目標となるが、異色の経歴も含めて楽しみな選手だ。

(Full-Count編集部)

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