小値賀・長壽寺 天井に水墨画設置へ 本堂で雲龍図を公開中

 長崎県小値賀町前方郷の600年以上の歴史がある長壽寺が、本堂の天井を改修し新たに水墨画を設置する計画を進めている。メインとなる雲龍図(縦約3メートル、横約3メートル)など一部は描き上げられており、今年11月ごろまでに大小計約80枚の図がはめ込まれる予定。雲龍図は既に一般公開しており、柳原貫道住職(31)は「迫力ある龍の絵を楽しんでもらいたい」と話している。

 同寺は老朽化が進んでいたため、15年1月ごろに改修計画が持ち上がった。柳原住職は「困っている人に仏教が身近にあることを知ってほしい」との思いで座禅会や落語形式の法話会などを企画しており、今回も仏教の神である龍などの絵を見に来てもらうのが狙い。

 水墨画の作者は長野県下諏訪町在住の画家、安藤美香さん(37)。同県内の高校を卒業後、中国へ渡って大学で水墨画を学び、芸術家の韓美林氏に師事した。13年には中国芸術研究院で水墨画の博士号を取得、国内外で展覧会を開いている。翌年に同寺の書院のふすま絵を手掛けた縁で、柳原住職が今回も依頼した。

 天井画は檀家(だんか)から寄付を募り、雲龍図以外にもツバキやボタンなど花の絵(縦約40センチ、横約40センチ)を設置する。一枚一枚下絵から描いており、安藤さんは「天井は鑑賞する人から距離があるので、離れていても華やかに見えるよう大きめに描いた」と話す。

 雲龍図は毎日午前8時~午後5時まで、本堂で見ることができる。

本堂天井の中央に設置する雲龍図と柳原住職=小値賀町、長壽寺

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