V長崎が初の平和研修 選手ら原爆資料館を見学

 サッカーJ1に今季から臨むV・ファーレン長崎は9日、被爆の実相を学ぼうと、長崎市平野町の長崎原爆資料館などで平和研修に取り組んだ。クラブは3年前から平和祈念ユニホームなどを同資料館に寄贈しているが、展示物を見学したり、被爆体験を聞いたりするのは初めて。同じ被爆地に本拠を置くJ1広島は同様の研修を実施した前例がないという。

 高田明社長(69)らが「長崎にある以上、平和への思いを知っておくべきだ」と発案。高木琢也監督(50)や選手、スタッフら約70人が参加した。

 選手たちは、平和案内人の説明を受けながら同資料館を見学。「焦げた弁当箱の中の黒いのはお米ですか」「ふたは閉まっていたんですか」と驚いた様子で質問していた。同市立山1丁目の長崎歴史文化博物館では、爆心地から1・3キロの自宅で被爆した丸田和男さん(85)の講話を聞いた。

 J2新潟から加入したFW鈴木武蔵選手(23)は「二度とあってはならない。サッカーができる環境に感謝し、平和の大切さを発信していきたい」と感想。同資料館の中村明俊館長は「長崎らしく平和を願う心を表現していってほしい」と話した。

原爆の悲惨さを学ぶV長崎の選手たち=長崎原爆資料館

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